山口県自転車周遊旅行(秋吉台→元乃隅神社→角島)二日目




山口県内を自転車で回ってきました
二日目です


二日目は長門市をスタートして
日本海側を西へと走り続け
最終的には下関へと向かう予定


ひたすら日本海側の道を走ると
千畳敷高原という場所にたどり着きました



少し高台にある高原で
日本海を一望できる景色の良い場所でした

キャンプをされてる方もいらっしゃいました



その後はさらに西へ





そして今回の目的の一つ
元乃隅稲成神社へと着きました



山口県内でもかなり有名なスポットのひとつかと思います
山と海に挟まれた場所に鳥居がずらりと並ぶ光景は圧巻です
というか、ロケーションがかなり「ズルイ」と思います

こんな場所で鳥居並べたらそりゃ面白い景色になるだろうよ!
といつも思います



いつもは観光客でごった返す場所ですが
この日は平日で時間もまだ早かったので
着いたときは自分ひとりでした

この景色を独り占めできるのは相当なゼイタクでした


調べてみると
この元乃隅稲成神社は名称が変わっていて
現在は「元乃隅神社」となっているようです
(「稲荷」が取れたようです)


通常、神社は名称が変わることは基本的にないそうですが
この元乃隅神社は正式には「宗教法人の神社」ではなく
なんと「個人所有の神社」だそうです

地元の方が「個人的に建設した鳥居」だとのこと
知りませんでした




鳥居の先には荒涼とした岩場があり
小さな祠も鎮座しています
ロールプレイングゲームにでも出てきそうな何とも「絵になる」な場所です
やはりロケーションがズルイです



元乃隅神社を後にすると
さらに西へと向かい、今度は角島へと向かいます



本土から角島へと海の上を伸びる角島大橋は
今やかなり有名な景色かと思います


自分も以前に来たことはあったのですが
今回来てあらためて
「…おぉ!」と息を飲みました

大変素晴らしい景色です
というか海の色が反則級に綺麗です

他の地域と比べて同じ海なのになぜこんなに色が違うのか
と思います



今となってはかなりベタな観光地のひとつにはなりましたが
この角島は本当にオススメできる場所です
本州の正真正銘の「角っこ」に存在してて
なかなかアクセスが難しい場所ではありますが
是非一度この景色を見てもらいたいです


で、この角島大橋は自転車でも渡れるので
もちろんこれから走るのですが
ただ、
「絶対ここ、ストラバのセグメントあるよなぁ…」
ということはもう予想できますので
まぁ、ちょっくら全力スプリントして渡るかぁ
とセグメントアタックすることにしました



ということで
景色はしっかり楽しみつつ、角島大橋を全力フルもがき


後で確認するとやっぱりセグメントが存在しました


が、全力で走ったものの、ストラバのランク見ると
そこまで速くなかったです
(いや、ほら、俺スプリンターじゃないしさ…)


角島大橋を通って角島に渡ると
島の真ん中を走る道路をさらに進みます



角島の端っこに立つ夢埼灯台

自分はこの場所がかなりのお気に入りだったりします



灯台の先には少し異質な公園があります
目の前に広大な日本海が広がる手前に
人工的な作りの公園がなんともミスマッチな感じがして
不思議な雰囲気を感じれる公園です

その公園からさらに海岸へと降りれるのですが
この場所が本当に好い



大きめの石がゴロゴロ転がっている荒れたガレ場になってて
ハマユウという大きな葉を広げた植物が自生しています



また傍らには夢埼明神という鳥居と石垣だけがある無骨な神社があります

そして眼前には無限に広がる海原

視界を遮るものがなにもなく
また、小島なども目に入る範囲には存在していませんので
もう本当に目の前には海しか、水平線しかありません

180度に近いほどの広大な画角で水平線が伸びてますので
目の前には
「海しか広がってない」
という印象になります

水平線は人間の目の高さからは「直線」にしか見えないそうですが
ここまで人間の視覚以上に水平線が広がっていると
わずかに「弧を描いている」という気にさえなってきます

地球の丸さを何かチカラワザで体感させられてるような感じになります

事実、水平線のその先には、
地球の丸さに沿って弧を描くようにさらに世界が広がっているわけです


この場所は
「最果て感」を味わうことができて
自分の中でかなりお気に入りです

「世界の果て」
というものは、まぁ世界のアチコチに存在はするのでしょうが
この山口県の、角島の、夢埼という場所もまた
そんな「世界のサイハテ」のひとつだな
と、そう思ってます


その後は
角島大橋を渡って本土へと戻ります

「どうせ帰り道もセグメントあるんやろなぁ…」
と思って角島大橋復路も全力スプリント



ランク見ると
やっぱりあまり速くなかったです
いや、ほら、俺スプリンターじゃないしさ…



角島から本土へと戻ると
次は下関へと向かいます

この日は下関に宿泊するつもりで
また下関で「行っておきたい場所」もあったので


距離としては下関まで50kmちょっと

急ぐ必要もないし3時間くらい掛けて走ればよいか
と思いつつペダルを回し続ける



が、
道中「ガクッ」とペダルから力が抜ける


げっ、チェーン落ちたか…?
と思いチェーンリングを見るが、
チェーンはしっかりギアの上に乗っている


ん?
どういうことだ……?


と疑問に思いつつペダルを回してみると

なんとクランクアームが空転している

チェーンリングからクランクアームが外れている




えぇ!?
と驚く


自分が使っているのはキャノンデール製のクランクセットなのですが
構造的には
「チェーンリングにクランクアームが嵌め込まれてる」
という組み立てになってます


今回はアームがリングからすっぽり外れているという状態



いまだかつてこんな状態になったことはなかったものだから
もうかなりパニックになる



え!
なに!?
走ってて外れるのか!?
てか、戻るのか!?
アームをリングにハメ直せるのか!?



パンクはその場で対処できるし
変速トラブル、またはブレーキのトラブルなども
その場で直せなくても、何とか走ることはできる


が、今回のようにクランクが外れて
そもそもチェーンを回すことができなければ
走ること自体が不可能になってしまう



何とかアームをチェーンリングにハメようとするが
無理


いや、そもそも専用工具を使って組み立てるクランクだ
手だけでなんとかできるハズはない



無理だこれ…
この場では絶対直せない…


と、諦める


「これ以上走ることはできない」
と残念ながら判断する



で、走れない、として

どうすんだこの状況!!!


目的地の下関までは50km


ていうかココどこだよ!



周りを見ると小さな商店のようなものは存在するが
「街」とは程遠い田舎なのは間違いない

まさか近隣に自転車ショップがあろうハズもない


とりあえずスマホで現在地を確認





なんっもない


この状況を何とかしてくれそうな施設は
なんっもない



いや、
マジで、
どうしたらイイんだこの状況…


まったく解決策が思いつかない


下関まで50km
歩けるワケはない


とりあえず下関まで行けば
もしかしたらどこかのショップで修理できるかもしれない
修理が無理でも、そこからなら輪行で実家に戻れる


ただ、ここからどうやって下関まで行くんだよ!


地図をあらためて見ると
3kmほど離れた場所にJRの駅を発見


3km!
これなら歩ける!


と胸を撫でおろす


とりあえずは駅に向かおう


で、自転車を押しながら
クリートをカツカツ言わせながら
駅まで3kmひたすら歩く


車が横を通るたびに
「トラブルかい?自転車載せて下関まで連れて行こうか?」
と声を掛けてくれないだろうかと都合の良い妄想をするが
まぁそんなことはあるハズがない


10月下旬にしては結構暑い

汗をかきつつ何とかJR特牛駅に到着


ところで
「特牛」
はよく難読地名のひとつとして紹介されることがあるが
皆様読めるでしょうか


自分は聞くたびに読み方を忘れてしまってたのですが
今回の件で、流石に覚えました



駅に着いたものの
「どうやって自転車を下関まで運ぶか」
という問題がある


輪行袋は持って来ていない


JRのルールとしては輪行袋に入れていない自転車を
電車内に持ち込むことはもちろんできない


が、状況が状況なので一応JRの問い合わせ窓口に
「こういう状況なんですが、そのまま自転車を車内に持ち込んじゃダメでしょうか…?」
と聞いてみた

まぁ、普通に断られました

ルールですからね、仕方ないです



で、どうするか


自転車を持ち込めない以上、
自転車は置いて行くしか方法はありません


とりあえず、下関まで身一つで電車で移動し
下関のどこかのショップで輪行袋を調達
その後、またこの特牛駅まで戻ってきて
輪行袋に自転車を収納して
また再度下関まで戻る

という何とも七面倒臭い方法しか、もうありません


特牛→下関→特牛→下関
という無駄かつ徒労でしかない工程になりますが
もうこれは諦めるしかない



その後実際に
一旦電車に乗って下関まで移動して輪行袋を調達
また折り返して特牛駅に戻り
自転車を輪行袋に収納
また電車に乗って下関へと戻りました



横置き用の輪行袋しかショップになかった
サドルをかなり高くしてる分、
上にクランクやチェーン後ろ変速機がはみ出す形になったので
ゴミ袋を被せて対処した


何度も電車に乗って往復することになったのですが
道中「俺はマジで何をやってるんだwwwwwwww」
と笑いしか込み上げてこなかったです



無事、自転車を回収して
その日宿泊するホテルに着くと
もうなんだかグッタリ


自転車で走る方が何倍も楽だわ…

と異様な疲労感に襲われて就寝




翌日
本来であれば下関から岩国の実家まで自走するつもりだったのですが
もう、自転車が走れる状態ではないので
諦めて電車乗って輪行で帰ることにしました


半端な感じで自転車旅行が終了することになりましたが、
まぁ行きたかった場所はほぼ回れたので、
実はそんなに痛手でもなかったです

こんなこともあるんだなwww
とむしろ愉快さすら感じ
というか何か今年はトラブルが多かったなwと
振り返ったりしました



ただ、本当はもう一か所だけ行きたかった場所があり
そこを今回行けないのは残念だなぁ
と少し心残りな部分もありました


が、泊まったビジホの案内見ると

「レンタサイクルあります」

と書かれていたので
「あ、これ借りて行くか…」
ホテルの自転車を借りて目的地まで行ってみることにしました

ということで、ホテルのママチャリを借りて出発しました




本州と九州を繋ぐ関門橋

というかママチャリに久しぶりに乗りましたが
あまりに久しぶり過ぎて少し怖かったです

あとサドルが低すぎて膝が痛くなったので
最大までサドル高を上げましたが、それでもかなり低かったです

弱虫ペダルの初期で
小野田君のママチャリのサドルを
神崎さんがロード乗る時くらいの高さに調整したシーンがありましたが
実際にはママチャリのシートポストはかなり短いので
サドルをあんなに高くするのは不可能なようです



で、行ってみたかった所というのが



関門トンネル人道


本州から九州に渡る場合
関門橋か関門トンネルを通ることになりますが、
歩行者および自転車は通行できないので
その場合はこの「関門トンネル人道」を利用することになります



入り口
トンネルはもちろん関門海峡の下、つまり海の下を通っていますので
エレベーターで地下に降りることになります




もちろん自転車も一緒に乗せることができます



海の下のトンネルが下関から九州の門司(北九州市)へと続いています




山口県と福岡県の県境



この関門トンネル人道ですが
れっきとした国道2号線です

歩行者専用道で
さらに海の下を走っていますので
国道の中でもなかなか珍しい区間ではないでしょうか




九州側に渡りました


さて、自分が今回の自転車旅行で最終的に行きたかった場所
それが「国道二号線の終点」です


国道二号線の始点は大阪の梅田にあるわけですが
終点は本州最西端の下関
では実はなく
九州の門司に存在しています


自分は大阪から下関まで2号線をほぼ走ったことはあったのですが
最終的な終点までは行ったことがありませんでした


ほぼほぼ国道二号線を踏破してるにも関わらず
少し先の終点までは行ったことがない
というのが、なにかスッキリしないというか
いつかは門司の終点まで到達して
「国号二号線を踏破した」
と言える状態にしておきたかったのです
(他人から見るとどうでも良いことに思えるでしょうが)




で、二号線の終点に到達
大阪からは537kmの地点になるそうです



ここから先は「国道3号線」ということになります



これで、今回の自転車旅行で行きたかった場所はほぼ行けましたので
(本当はシンエヴァに出てくる宇部新川駅にも寄りたかったのですが)
その後は宿に戻ると帰り支度をして
なんとなく自転車押しながら長府駅まで歩き(10km以上あったので脚が死んだ)
その後は輪行で実家に帰りました





子供の時、自分は山口を
「なんてツマラナイ場所だ」
と思ってました

面白い場所なんて何も無い県だと勝手に思ってました

が、それは自分が単純に「知らなかった」だけで
大人になってから、あらためて山口県の良さに気付けたりしました

子供の時に気づけなかったことが
大人になると分かるようになるというのは
生きてると色々な場面で体験することがあるかと思いますが
そういう意味では「歳をとる」というのも案外悪くないというか
「変化を愉しむ」というのも
人生の味わい方のひとつだなとあらためて思います



ということで
「おいでませ山口」


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