富士ヒル2021 【参戦記】




第17回富士ヒルクライムに参加してきました。

結果を先に書いておきますが

目標はプラチナ(1時間切り)でしたが、
結果は1時間4分38秒で
目標を達成することはできませんでした

以下振り返ります。



■前々日

前々日に有休を取り移動日にあてる
予定としては
新大阪から新幹線で三島へ
そこから御殿場に移動して自走で富士吉田へ
と考えていたがあいにくの雨

うーむ、どうやって行こうと悩んだ末
新富士駅で降りてそこからバス輪行で河口湖駅へ行くことにした



現地に着くとタイミングよく雨が上がる

河口湖駅からホテルへと移動

今回実は某大手のビジネスホテルを予約していたのだが
なんとコロナの療養施設に指定されて
宿泊することができなくなった
ホテル側が代替の別ホテルを用意してくれたのでそちらに宿泊することに
最近オープンしたばかりの良さげなホテルなのでむしろラッキーだった

そのホテルに金曜日土曜日と連泊することに

2日前に現地入りとか随分贅沢な時間の使い方だが
こうすると事前の準備とか移動がかなり気楽になるのでとても良い


ホテルの近くには百均、スーパー、ドラッグストア、スポーツショップ(自転車用品も豊富)
が徒歩圏内にありかなり便利な立地だった

大会当日の朝が早いので
リズム整えるためにも9時くらいには就寝



■前日

3時くらいには起きる
5時には大浴場開けてくれるので入浴

二度寝したりして8時ごろ朝食



その後部屋でダラダラ

ホテルのテレビでyoutube見れるので(便利だ!
富士ヒルの動画見て予習




2日前から現地入りしてるとホント時間をゆったり使えて良い

10時ごろ近くの百均に買い物へ

当日の天気は例年通り微妙で
下山の頃には雨が降ってる可能性もあったので
百均でレインウェアを念のため買っておく



下山用に冬ウェアは用意してるが
雨に濡れると寒さで死ぬので万が一に備えておく


その後自走で会場へ受付しに行く




ブースを一通り回る



例年より出展数少ないかな
飲食ブースは対策のため今年はない模様



ゼッケン等受け取る


その後はスーパーで夕飯買ってホテルへ戻る

ジャージにゼッケン付ける



49というなんとも素晴らしい数字だ




部屋から富士山の頭が見えた


3年前と2年前の富士ヒル
2年前の富士山ヒルクライム
去年の箱根ヒルクライム

と何度も富士山周辺には来てるのだが
富士山をまともに拝むことができたのは
実は今回が初めて

最後の最後でやっと見ることができたかぁと思いながら眺める
幸先良いな、とも思う

8時ごろ就寝




■当日

1時前に自然起床

流石にちょっと早いなとは思いつつも
そのまま起きてゆっくり準備

朝飯食べて
お風呂に入って少し汗を流す

5時頃出発

出発前に体重測る



ジャージ着て59kgなので
58.6kgくらいか

体重もレースに望む体重としては最軽量

体重計の数字見ながら
「全部やった」と納得する

練習、減量、機材
すべて考え通りに準備できた
「あれをしておけばよかった」という思いは微塵もない


間違いなく今が自分の一番良い状態だ
と自信を持って思うことができる


会場までの移動中もアップ替りに強度高めに走る

出力も心拍もすんなり上がる

なんの不安要素もないな
そう思いながら走る


■会場到着


5時半ごろ会場に到着

主催者選抜クラスの整列場所はスタートゲートの前なので
場所が分かりやすい


過去に参加した時は
主催者選抜クラスの待機場所なんて
何か別の世界のもののように感じていたが

まだ時間も早いためか
バイクもまだあまり置かれていない

前の方の位置にバイクを置く



今回の主催者選抜での参加

位置取りが非常に重要になるなとは思っていた

目標は1時間切りで
そのためにはまず先頭付近での集団内で走りきることが前提となる

自分の実力では
単独走での1時間切りはほぼ不可能だろう


前方集団から千切れない
これが必須条件

なのでスタートも前の方に位置を取り
常に先頭集団を視野に入れながら対応しないといけない



6時15分スタートセレモニー

いよいよスタートが近づく



身体が震える

気温が低いためというのもあるが
単純に緊張している


主催者選別クラスで
目標はプラチナ

そりゃ緊張もする

スタートまで
残り3分


残り2分


何度も大きく息を吸う



1分



カウントダウンが始まる


さあスタートだ




■スタート



スタート直後
前の選手がクリートキャッチを手間取り
自分も少しブレーキ掛かる




道路に出た時には
全体の中ほどに位置していた

自分の位置は左端

ここからこぼれないように場所をキープしないと


ただ、これまで参加した一般ウェーブと違い
かなりバイク間の距離が近い



少しの進路変更も気を遣うかなり密集した状態

こんなところで接触落車すれば元も子もないので
横や後ろに気を付けながら走行する



計測開始ラインが近づくと全体のペースが徐々に上がる


先頭付近が計測ラインを通過したのを確認して
自分もサイコンのラップボタンを押す
5秒差くらいか



自分も計測ラインを通過

集団内で走る

常に前の選手から離れないよう走り続けるのだが
違和感を覚える

自分は常に同じ位置を走ってるつもりだが
周りの選手は常に動き続けている

そのせいか
自分が後方へ少しずつ押し出されている



気が付いた時にはもう遅かった



後ろを振り返る


誰もいなかった



いつの間にか自分が最後尾となっていた

…え!?

と慌てる

頭の中には「なんでこんなことに…」という疑問符が浮かぶが
周りの動きは容赦がない



料金所に近づいたところで集団はさらにペースアップ

集団は縦長に
というかすでに綻び始める


最後方からはるか遠くに見える先頭集団

自分の場所からもう繋がっていない


「先頭の集団に付いていく」という計画は
序盤の時点ですでに崩れた




ヤバイ!
と思いとりあえず目の前の集団への復帰を目指すが
それすらすでに距離ができている

集団とは言えない数人のパックに追いつくも
この場に居てはジリ貧なので
すぐにパスして前を追いかける

結局集団らしき集団には合流できずに
目の前の選手を目指しては追いつき
少し後ろに付いてパスしてまたさらに前を追いかけるという状況に

一合目過ぎですでに完全に単独走の状況になる



はるか先には集団が見える

おそらく先頭集団ではない

2番目?
3番目の集団か?

それすらもう分からない

ただ、その集団を追いかけるしかどの道、方法はないので
必死に追いかける


道路脇の看板などを目安に集団とのタイム差を計る
20秒差くらいか

普通のヒルクライムでは決して追いつけないタイム差ではない

カーブを挟んで集団の姿が視界から消える

ふたたび直線になったところで
また集団とのタイム差を計る

25秒差くらい


ジリジリと離されている


いや、もうこの時点で本当は理解している

あの集団には追い付けない

ある程度の斜度があるコースならまだしも
この緩斜面で
あんな前方の集団に追いつけるワケはないのだ

それでも追いかけるしか選択肢はないので追う

集団からこぼれた選手がいれば
とりあえずその背中を追う

ただ、やはり選抜クラス
集団から遅れた選手と言えどもなかなか追いつけない

必死に我慢しながら少しずつ間を詰めていく

なんとか追いつくと
さらに先の集団を追いかける


頼むわ、頼むから追いつかせてくれ
と思うが集団との距離は開くばかりで
いよいよ視界からは消えた

ただただ単独走を続ける

先頭スタートの選抜クラスなので
当然周りに他の選手の姿はない

大会で
ましてや富士ヒルという大きな大会で走っているのに
周りに誰もいないという状況

もう自分の走っているペースが正しいのかどうかも分からない
ただ走れる精一杯の強度で走る
つもりなのだが、本当にこの強度で良いのか?
と頭に疑問を持ちながら走る

最近は走り慣れた峠で感覚頼りで走ることが多かったので
サイコンで出力を管理するということもなかった

そのためか、この時もサイコンで出力を確認することもしなかった




樹海台駐車場の横をひとりで通過


ただただ一人で走り続ける

15km付近で前の選手になんとか追いつきパス

そのまま強度を上げる
つもりだが上げれてるのかどうか分からない

しばらく走り続けると後ろから走行音




大沢駐車場付近で
後ろからの集団に逆に追いつかれた

この時、脚にも精神的にも何か重いものが圧し掛かる

その集団の後ろに付く


集団に入ると走りが一気に楽になる
が、逆にそのことに嫌気が差す


これが集団の効果なんだ

だから集団で走り続けなければならなかったんだ


序盤からほぼ単独走

前の集団に、前の選手の背中に追いつこうと
必死に走ってきたが
多分無理をした強度だったのだろう

もう脚が重い

追いつかれたこの集団に付いていくのもかなりキツイ


ただ、
この集団に付いて行って果たして…
と分かり掛けてるが思いたくない事実も頭に浮かぶ



すると集団内での選手同士の会話が聞こえる

「1時間行けるかな」

別の選手が答える


「無理ですね。ゴールドぎりぎりってところかと」



分かっていたことだが
あらためて言葉にされると相当堪えた



無理じゃないね!これから挽回してやるわ!


と奮起したいところだが
現実問題、この時点ではもう巻き返せない


それでも脚を緩めるつもりはないし
一秒でもタイムは縮めたいし
ひとつでも順位は上げたい



が、この集団からも距離を離される


スプリット区間に入り斜度が少し出ると
距離を少し縮められたが

斜度が緩むとまた距離が開いた





奥庭駐車場の横でタイムを確認する
いよいよ現実を痛感する

平坦に入る前に集団に追いつきたかったが
逆に遠くなった



平坦を単独で走る
ここに来て追い風になる

もう今さらな追い風だ

なんとか集団に追いつけないかと必死に踏むが距離は縮まらない



それでも目の前のひとりの選手には追い付こうと最後まで踏む

ゴール目前で
サイコンでタイムを見る



1時間4分台



2年前のゴールド目指したあの日なら
歓喜していたタイムだろう




ゴール

タイムを確認
手動計測だが、
2年前より多分少し遅い


プラチナ1時間切りという目標は達成できなかった


せめて順位は…
と思い先にゴールした選手の数を数えようとしたが
あまりの多さに気が滅入り途中で数えるのを止めた




■ゴール後



下山用荷物を回収しに行く

プラチナ失敗したらどんな気分になるだろうか
と以前そんなことを思ったりもしたのだが

実際に失敗して
悔しい
という感情も沸いてこない

というか今自分がどんな感情なのかよくわからない

ただ、
プラチナに届かなかったという事実と
今回のタイムと
何でこんな状況になったのだろうかという思いが浮かぶ



荷物を回収してウェアを着こもうと
テントに入る


そこでMKTさんという方に声を掛けられる

終盤に自分が追いつかれた集団にいらっしゃったとのこと

お名前は実は覚えていた

2年前の富士ヒルではともに入賞

富士山ヒルクライムでも一緒に入賞してた

自分はタイム近い人は大体ライバル視してるので
名前も必然的に覚えている(おー、怖

年齢は何気に同学年らしく
何か同学年で同じくらいの脚力の方は初めてお会いしたような気がするので
勝手に親近感覚える

東京の方らしく自分のブログも読んだことあるとのこと

このブログ、大阪周辺の話題が多いし
読まれるのも近畿圏の人くらいではないかと思っていたが
あー、東京の方でも読まれたりするのだなぁと変に感慨深くなる

というかこれ書きながら思い出したのだが
富士山ヒルクライムの表彰式でお疲れさまでしたと声掛けてくれたのMKTさんじゃなかったろうか
そんな気がしてきた。違いましたでしょうか?

今回は負けてしまったが、次に会った時は絶対に勝とうと思う(おー、怖



その後、下山



頭の中でグルグル今回のことを考えたりする


悔しい
腹が立つ
後悔する

そうした思いはやはりなく、


ただ、
「残念だ」
という思いと

「なぜダメだったのか」
という思考がひたすら頭の中でグルグルする




解散場所は会場ではなく
料金所になるので、そのまま会場へ戻る必要はない

ただ、自分は会場に荷物を預けていたので回収しに行く


荷物を受け取ると
することが無くなる

表彰式などもちろん関係ないし
記録表の発行も今回は無し

あとはもう帰るだけ

レース終了後に「何も無い」という状況が
そう言えば久しぶりだなと思い
少し空虚な気分になりつつ帰路につこうとすると
声を掛けられる

マスクされてたので
…だれ?と思ったが
おー!nobuさんじゃないですか!
去年の吉野以来の再会
偶然にも最後の最後でお会いできるとは

nobuさんも残念ながら目標は達成できなかったようで
色々とお話させてもらう

本当はもっとゆっくりお話ししたかったが
自分の新幹線の時間があるので、
名残惜しいが切り上げて別れる

一応気落ちしていたので、まぁお話できて救われた


その後新幹線で大阪へと帰る

道中、ストラバに今回のログをアップして
「プラチナはダメでした」と書くと

皆様からひとこと

「お疲れさまでした」

とコメントをいただいた


ここまで大見得切っておいて
その上で失敗したのだから
実際のところ何て声を掛ければ良いか困るだろうな
そんな心配を勝手にしていたのだが


ただ一言

「お疲れさまでした」

と皆様から一様にそう声を掛けてもらった


色々と気を遣って選んでいただいた言葉かと思う。
とても染み渡る言葉だと思いました。
ありがとうございました。



その後帰宅

夕飯を食べた後はすぐに眠くなった
久しぶりに長時間、泥のように眠った




■まとめ

まず、
今回の大会、このような時期での開催だったので
どうなることかと思っていましたが
参加してみてやはり、運営側の、また山梨県としての「覚悟」のようなものは感じました

まだまだこうした状況で、様々なご意見はあるでしょうが
富士ヒル運営、関係者の方々には深く感謝してますし、敬意も感じています
本当にありがとうございました。



結果については上述の通り
当初目標としていたプラチナリング(1時間切り)は失敗

正式な記録としては1時間4分38秒でした


さて、次戦は乗鞍です


それではお疲れさまでした。

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コメント

  1. MKT より:

    富士ヒルお疲れ様でした!
    おぼろげですが富士山HCでお声掛けした気もします笑
    来年も選抜でさらに上を目指そうかと思ってますので、またよろしくお願いします‼︎

    • yoshi より:

      MKTさん

      コメントいただけるとは!本当に読まれてたんですね笑
      富士山HCの表彰式終わって舞台から降りるときに隣の方から声かけてもらった気がするので多分MKTさんだったと思うんですよねぇ。
      さらなる飛躍期待しております!僕も負けませんが笑
      またどこかの大会でご一緒できること楽しみにしております!!
      もう負けませんけどっ!!(しつこい)

  2. ゆうポニョ より:

    富士ヒルお疲れ様でした!

    プラチナに向けて頑張られている様子がStrava,ブログから伝わっていたので、今回の結果は残念でしたがまたいつの日かプラチナを目指されるのを楽しみにしております。

    ドラフティング効果が得られる位置取りが出来ていれば全然違う結果になっていたのではないでしょうか。

    自分は無謀にもゴールドトレインに付いていこうとして数キロで脚が駄目になりボロボロでした(笑)。しかし、無謀な挑戦をしたおかげで自転車友達がリアルで出来たので良かったです。もう一年、練習を改善して来年もゴールドを目指そうと思っています。

    これからもブログ応援しています。ゆっくり休んでください!

    • yoshi より:

      ゆうポニョさま

      当日は本当にお疲れさまでした!
      自分の脚にあったトレインに乗る見極めは難しいですよねぇ。
      欲張って速い集団に乗ろうとすると結局自滅コースになってしまいますし…
      ゴールドなどの目標タイムがあれば各地点での到達目安タイムも設定できますので、その目安タイムと比較して付いて行って良いペースの集団かどうか、というのも判断する材料になる気もします。
      色んな出会いがあるのも大会の面白いところですね。ゆうポニョさんともいつかどこかの大会でお会いできれば幸いです。
      ちょっと一週間くらいは休憩しようと思いますが、ちゃんと練習再開するかどうかストラバで監視しておいてください笑
      これからもお互い頑張っていきましょー。

      • ゆうポニョ より:

        Yoshiさま

        いつもは自分の脚力に合った踏み方しかしていなかったのですが、今回は駄目もとでやっちゃいました。
        集団の見極め、難しそうです。無理し過ぎず、楽過ぎないって難しいですよね。集団に付いていく脚力がついたとしても、インターバルに耐えられたり良い位置づけの見極めなど難しそうだなと感じました。ベースを上げてもっと楽しめるようになりたいと思えたので、次が楽しみです。

        Yoshiさんともどこかの大会でお会い出来るのを楽しみにしています!

        また練習を再開されるのですね!!!楽しみにストラバチェックしますね。
        ストラバのログは励みになります。お互いに頑張りましょー!

  3. nobu より:

    お疲れ様です!

    レベルの違いはあれど私のグループと似たような展開になってますね
    よく接触しなかったなと思えるくらいとにかく密度が凄かったです(汗
    まぁこれも良い経験が出来たということで。

    しかしよく出会えましたね〜
    あと5秒遅ければ多分気付かず失意のまま帰ってました(苦笑

    乗鞍、お互い巻き返しましょう!

    • yoshi より:

      nobuさま

      当日はお疲れさまでした。
      普通のヒルクライムレースではあの密集度と速度域はあまりないですからねぇ。
      落車もありえる状況なので怖かったですが、確かに良い経験にはなったと思います。

      いや、本当に良く見つけていただけたと感謝しています笑
      僕もあのままひとり帰るのはちょっとツラかったです笑

      乗鞍ホント頑張りましょう!
      あと2ヶ月半もありますからね!と言いつつ逆に時間空きすぎるので、その前に一個くらい別の大会出たいですが、出れるものが何もなくてちょっと悲しいです…