ちくさ高原ヒルクライム2020秋【参戦記】




ということで参加してきましたちくさ高原ヒルクライム

6月末にも開催され
その時は序盤平坦で集団から千切れて7位でした(オープンクラス)

今回はクラスBでの参加です



■前日

岡山、兵庫西部へ向かう際は
大体、六甲山を一本キメてから向かうのだが
今回も六甲山を登ってから明石あたりまで自走、そこから輪行と考えていたが
前日はあいにくの雨
どこかで一瞬雨が止めば、その隙ついて走りに行こうかとも思ったが
雨は止む気配なし

諦めて午前中にローラーしてお茶を濁し
午後から移動することに





前回のちくさ参加時と同様
宮本武蔵駅近くの宿に宿泊

gotoの割引き、さらに地域共通クーポンも付くので
実質の宿泊費が1600円くらいとワケわからん金額になっていた
(西成のドヤ街価格!)

前回来た時は色々周辺ブラブラして観光もしたが
今回は温泉入って21時ごろには早々と就寝



■当日

寒い
気温ヒト桁

冬用ジャージにレッグウォーマーも身に着けるが
寒さで身体が冷えてパワーが出ない

日が昇れば多少気温上がるか?

身体温めようとケイデンス高めに回しながら移動



受付けのちくさ高原スキー場までは
今回もあわくら温泉方面からアクセスする

西粟倉ヒルクライムのコースをそのまま一回登って行くという素敵なルート


ちなみに前回は移動時にパンク

ひとりレース前に携帯ポンプで必死に空気を入れ続けるという
かなりアタフタした状況になり
受付時間にも遅れる始末(受付はしてくれた


今回も同様にパンクなどしようものなら
ネタとしては大変面白いが
当人としてはまったく笑えない状況になるので
路面状況に細心の注意を払いながら走行





前回パンクしたあたりを無事通過したところで
意味もなく記念撮影


「勝った……」


という謎の勝利感を得る




その後は西粟倉ヒルクライムのコースをユルユル登って
無事に受付会場に到着

会場で受付リストを確認

自分はBクラスだが
人数の多さに驚く

例年は確か数十人くらいの参加者だったと思うが
今回は70人くらい?


自分が知っている強豪選手がいないかチェックしようかと思ったが
あまりの多さに流し見程度で済ませ
スタート地点にさっさと移動

スタート地点まで一旦下ると
コース序盤を走って適当にアップ


序盤はやはり緩斜面・平坦基調だ


平坦が苦手な自分はこの手のコースが相性悪い

序盤からの集団のハイペースに付いて行けず
そのまま脱落
というのはありがちなパターン

前回のちくさも
いきなり集団から千切れてしまい成績も良くなかった


なんとか集団から千切れない方法はないものか

そういったことを最近はよく考えていたのだが


レース数日前に
「集団から絶対に千切れない方法」を思いつく



圧倒的 閃き……!!
まさに悪魔的発想……!!



あ、これなら絶対集団から千切れないやん
前々から自分のこと頭良いと思ってたけど(あ、思ってました)
天才やん俺


と客観性ゼロの自己賛美をしつつ
アップ中もスタート後の動きを頭の中で確認する




その後スタート地点に整列

このレースは
ゴール地点の手動計測のみのマスドスタート

なので後ろの方に整列するメリットはない

ので当然最前列に陣取る



「集団から千切れない」
が今回のテーマ


上手く行けば
成績もおのずと良いものになるだろう

さぁスタートだ



■スタート

合図とともに一斉にスタート


さて今回思いついた
「集団から絶対に千切れない方法」
だが

それは




逃げる


スタート開始から一気に踏んで先頭に出て
そのまま逃げた



集団の前を走ってたら集団からは絶対に千切れなくない?


という本来なら
「いやいやいやwwww」と
ツッコまれてしかるべきボケのような作戦だが、
残念ながらツッコんでくれる人が周りにいないので、
そのまま実行した


後ろをチラリと見ると
集団とはある程度距離ができている

このまま集団の前を逃げ続ける


今回のこの「逃げ」
考えなしというかヤケッパチの作戦にも思えるが
一応勝算というか実行する上での考えというものは事前にあった


まず自分はよく
緩斜面・平坦が苦手
とよく言ってるが
これはまぁ実際その通りなのだが

ただ、これを
「まぁ仕方ないよね」
といつまでも言っておくわけにもいかない

実際に
ヒルクライムレースでも
「序盤緩斜面」
というのはよくあるコースレイアウトで
そうしたスタート直後のハイペース展開に付いていけるか
というのは重要な点になる

また、
峠のTTなどでも
ストラバで上位の人達の走りを見ると
「序盤の緩斜面でタイムを稼ぐ」
という方法で全体的なタイムを削っている事が多い

ヒルクライムにおける「速さ」を求めると
どうしても緩斜面は無視できない要素になる


なので、最近はこの「緩斜面対策」についても結構考えたりしていた


で、
軽量クライマーの人達と比べると
自分は絶対的な体重が結構ある(レース時で大体61kgくらい)

体重があるということは
平坦・緩斜面はむしろある程度速く走れるハズ
とは思っていた


最近よく走ってる
葛城山塔原ルート(ロング)
これも序盤10分ちょっとが緩斜面

あと六甲山の
スタートから甲寿橋交差点までが
10数分の距離で緩斜面

それぞれどうやったら速く走れるかを試行錯誤し
最近は少し
「こういうことか…?」
という感触も得られてきて

甲寿橋のセグメントは最近トップ10に入れたようで
考えながら練習して行けば緩斜面も意外となんとかなるか?
と何かが少し見えてきた感じもある。


で、今回のちくさのコースも
平坦・緩斜面の区間は大体10数分の距離

つまりいつも走ってるコースと大体同じ距離感

なので
今回は「逃げ」ではあるが
自分の力量以上には決して踏まず
あくまで「いつも通りのペースで踏んで行く」
ということになる


斜度がキツクなるまでの10数分くらいを耐えられれば
それからの登りで後ろから追いつかれる
ということは基本的にないだろうと考えていた



目の前の先導車に追いつくつもりで
先頭をひたすら走り続ける

後ろは基本気にせず
自分のペースで踏み続ける


しばらくして後ろを振り返ると
お一人後ろに付いていた

あれ?いつから付かれてたんだろ?
と思うが気にせず自分のペースで進行


その後、また振り返るとやはり付いて来られているので
ただ、ツキイチで甘い汁だけ吸ってもらっているのも
やはりコチラとしてはオモシロクナイと思い
先頭交代を要求
2、3回ローテ回す




が、もとより単独で逃げるつもりだったので協調する気はない
むしろもう自分のペースで踏んで行きたかったので
その後は先頭交代せず自分のペースで前を走る




平坦区間も終わり斜度がキツくなってくる

ここまで来れば集団から追いつかれることはないか
と思っていたが
横から別のひとりがスルスル登ってくる




集団に追いつかれた!?

と焦る


その時は後ろをハッキリと確認しなかったので
てっきり集団に追いつかれたと思っていたが、
どうやらその選手がひとり集団から飛び出しブリッジしてきた模様


まぁどちらにしろ登りが本格的に始まったこの状況で
今さらどうのこうのしようがない
走れる自分の強度で登り続けるしかない


追いついた選手が前に出る

見ると走り方が軽やかというか何か余裕がありそう


ヤバいな…
このまま先行されそうだ…

と思いながらも必死に追走




終盤に差し掛かり
3人が先頭の状況

あらためて後ろを振り返ると集団の気配は既に無い

最終この3人での争いか



一応ここで状況分析してみる


自分の逃げに付いて来られた方を見ると
息がかなり上がっており
追いついた選手が先行した時に先頭交代要求したが
それに応じる余裕はなかったようだし
おそらくは、終盤にさらにアタック仕掛けられることはないだろう


で追いついてきた選手
こちらはまだ余裕がありそう
身体に無駄な力が入ってなくスイスイ登って行く
このままペース落とさずに最後まで行きそう


自分はというと
やはり結構ギリギリな状態
置いて行かれないよう我慢するのが精いっぱい
ここから何か仕掛けることもできないので、
スキー場過ぎてからの長めの激坂で
なんとか我慢しながら踏んで先行できれば…
というところ



その後
やはりというか
追いついてきた選手が先行

ペースが落ちず自分との距離もジワジワ開いて行く




ヤバいな
と思いつつも我慢しながら踏んでいく

終盤の激坂に入ってから
なんとか追いつきたい


スキー場を過ぎて長めの激坂に入る

ここから何とか…

と思って最後の力振り絞って踏むが差は縮まらない
いやむしろ開いて行く



現状は2位の位置

このままなら2位だし、まぁいっかー



とか思うかよクソタコが

と食いしばりながら踏む


自分は終盤競り合い、アタック合戦になった末に敗ける
ということが何回かあって
しかもそういう場合に限って動画に撮られている(!)

そしてその自分が負ける動画を見るたびに
「お前もっと踏めなかったのかよ」
という気になる。
もちろん単純に実力差で負けているのは分かってはいるのだが
本当はまだ踏めたんじゃないか
追いつく可能性はあったんじゃないか
と、どうしても思ってしまう



だから、
こういう状況になっても脚を緩めるつもりは毛頭ない



先行する選手が後ろを一瞬振り返った
そして前へ向き直りそのまま進み続ける



向こうも脚を緩めるつもりはない



いいね、最高だ
kudosボタンを押したくなるわ




そのままの着順でゴール


2位

逃げが功を奏しての好成績
ではあるが
やはり敗れての2位
素直に悔しい



■ゴール後

自分のことを待ってくれていたのか
ゴール後、1位の選手がまだ下山せずにいた

「速いですね」
と声を掛ける

まさか追いつかれるとは思ってなかったとか
タイムについてとか色々お話しする

話をしてるうちに
結構若い方かな?と思い
「年齢、おいくつですか?」と聞くと
「19才です」と


おぅ…
そこまで若いとは…

甥っ子とタメかぁ
ていうかちょうど倍の年齢か…

なんかシミジミとした気分になる


で、
話をしてるとなんだかとても瑞々しい方で
こちらもすごく前向きな気持ちになれた

先日の高取にも出てたみたいで
その時は年代別4位で表彰台まであと一歩だったみたい

そしてレース参加はこのちくさでまだ3戦目らしく

今回が初の表彰台でクラス1位という成績
前途有望だなぁと羨ましく思う

来年は富士ヒルでゴールドを目指したいとのこと

自分がゴールド取れたので多分大丈夫ですよ
と言ってあげたら、ちょっと嬉しそうにしてた


その後
正式なリザルトが発表されてから一緒に表彰状を貰いに行く
(今回は密集を避けるため表彰式は無し)


一緒に写真撮って欲しいと言われたので
2人で表彰状持って記念撮影
(一緒に来られていたお父さんに撮っていただいた)



あちゃーー。
「写真撮って欲しい」とか
まぁた俺のファンがひとり増えちゃったかーーー。
あちゃーー。


(↑そっとしといてあげてください)



いや、別に彼は自分のことを知っていたワケではないだろうし
まさかこんなクソブログを書いているとも思わないだろう

もし、このクソブログを見たらどう思うだろうか


え……
こんなクソブログ書いてたんですか……?
幻滅しました。



そう思うだろう。

ごめんね。
おじさん、こんなクソブログ書いてて。



その後は彼に

「次会った時は絶対負けへんからな!」

と明らかに噛ませ犬キャラが言う捨て台詞を吐いて
(おそろしいことに本当に言いました)
会場を去る



■帰路

そうだね。自走だね

大阪まで自走で帰ります。
ちくさや菖蒲谷来た時は大体帰りは自走です。

が、走ってると
明らかに荷物が重い。
リュックがずっしりと肩に食い込む。

今回いただいた副賞




結構色々貰って嬉しいのだが
自走で帰るのにこの重さはちょっとツライ。


で、
こんなこともあろうかと
「レターパック」の封筒を一枚持ってきていた

これに不要な荷物を入れてコンビニから自宅へ発送すれば
その分身軽になれる

もちろんすべての荷物を入れるほどの容量はないので
とりあえずなるべく重いものを送っておくかと思い
輪行袋セット一式を送る


やれやれ、これでいくらか軽くなったぞ
と、再び走り始めるが
数kmくらい走ったところで気が付く


後輪パンクしてるやん


例のごとくCO2ボンベは持ってきておらず
あるのは携帯ポンプのみ


もうイヤだ…
携帯ポンプで空気入れる作業はもうイヤだ…


大阪まではあと140kmくらい
自走で帰る気が一気に失せる

もう輪行で帰ろうかな…
と思うも


一式さっき送ったわ





諦めてチューブを交換
携帯ポンプで楽しい楽しい空気入れ

また走り出す

空気圧の低い後輪からヌメヌメと音がする
が、もう気付かないフリして走り続ける


姫路を通過
あとは2号線をひたすら進むだけだ

ただ、もう流石にシンドイ
いま輪行袋があれば間違いなく輪行で帰る



加古川あたりで気が付く


前輪パンクしてるやん


うへへへぇあはひゃひゃひゃーwwwwww
と逆に笑えてきた

もうチューブ交換するのイヤwww
携帯ポンプで空気入れるのイヤwww
てかもう1mmも走りたくないwwwwwwwwww



ある程度笑ったところで
すべてを諦めチューブ交換


残り80kmくらいか?

明るいうちに大阪へ帰れるかと思ってたがもう無理だなと思い
前ライトとリアライトをセット
もうゆっくり帰ろう…と諦める


神戸あたりで
サイコンが
「俺はどうやらここまでみたいだ」と
ひとこと言い残して落ちる(電池切れ



19時過ぎにやっと帰宅


玄関入って
「しんど…」
とひとり呟く



■まとめ

はい、ということで無事に終了しましたちくさ高原ヒルクライム

結果はBクラス2位と好成績
まぁ今回は順位がどうのこうの言うよりも
初めて平坦での逃げに挑戦してみて
それが割と上手く行ったのが楽しい部分でした

色々と試行錯誤する要素はどうやらまだまだあるようで
一向に終わりが見えないゲームをプレイしてるような感覚で
「まだまだ遊べるドン!」と大変ワクワクしてきます


あと、今回は若い子にラスト負けたワケですが
自分は年齢って関係ないと思ってて
年齢関係なく負けたことが素直に悔しいし次に勝負する機会があれば勝ちたいですし
逆に自分より年齢上の人に対しても同じ気持ちでいて
というか自分より年上で速い方は何人も居るわけで
そのことが悔しかったり逆に嬉しく思う部分でもあったり
年齢関係なく「速くなりたい」と思った人間がそのまま速くなれる
それがこのヒルクライムだと思っています

俺が言ってることは間違っていません。正しいです。
なにか反論がある方は壁にでも向かって言っておいてください。



さて、次戦は今年のラスト、吉野大峯です。

ところで、
今回はコース変更に伴い
おそらくは落車のリスクを減らすためでしょうが、
希望者は年代関係なく前列グループでスタートできるようです。

すべての年代カテゴリの人が同グループで走れるようです。

自分もその前グループでスタートするつもりです。
年代カテゴリの垣根を越えて
自分が敬愛する速い方々と競えるチャンスだと
内心とてもワクワクしています。

勝負しましょう。

クソブロガーからのお誘いです。



それではお疲れさまでした。

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コメント

  1. nobu より:

    お疲れさまです

    改めて2位入賞おめでとうございます♪

    それにしても前後輪パンクとかネタが尽きませんね〜
    終わった事なのでニヤニヤしながら読んでました(笑

    ところで吉野のスタートの件ですが、『前列希望したら1組目より前(チャンピオンクラスの後ろ?)にスタート』との認識で良いのでしょうか?

    • yoshi より:

      nobuさま

      ありがとうございます!
      優しい神様がブログのネタを提供してくれてるのかもしれません。
      こちらとしては「そんな気遣い要らんわ!」て感じですが笑

      fabuさんに問い合わせたところ、「希望者だけで別グループ作ってスタート」とのことで、
      参加者リスト見るとチャンピオン・年代カテゴリー関係なくゼッケン順に25人ずつの出走グループを設定しているようなので、
      おそらくは「0組目」みたいな扱いで、チャンピオンクラス含めた1組目よりも先にスタートになるんだと思います。

      • nobu より:

        問い合わせされたんですね、流石です。

        となると先行スタート組に相当数の方が殺到するような気もしますがどうなんでしょう?
        私も先行スタートで強い方達と走ってみたいと思ってますが『身の程をわきまえろ!』と怒られそうで少し迷ってます^^;

        • yoshi より:

          自分も先行グループに人数集まりすぎるんじゃ…と少し気になってます。
          ただ、「25人ずつのスタート」にはなると思うので、そうなると先行組に人数殺到しても結局それらをさらに25人単位に分けるんだろうと思います。
          今回の措置はタイム狙い・上位狙いの人が激坂区間での糞詰まりに引っかからないように、と配慮してる部分もあるかと思います。
          ある程度登れる方なら先行組参加は大いにアリだと思います。

          • nobu より:

            幸い先行組の中でもゼッケン順的に邪魔にならない後ろの方の組になると思うので思い切って先行組に並ぼうと思います。
            同じ組になることはないでしょうが当日は宜しくお願いしますね^ ^

  2. Y・S より:

    いやもう最高!オチまで完ぺき✌️
    前にもコメントしましたが主様がカーボンフレームで走ったらどんなタイムが出るのか非常に興味深いでず。

    自分もキャニオンが気になり、お世話になってるショップに何となく話をふってみたら、やんわりお断りされました。ジャイアントで15万位でアルミディスクロード出ないかな~

    • yoshi より:

      Y・S さま
      個人的にはオチなんて求めてないのですが笑
      トラブルと無縁の生活を送りたいです笑

      実は来年に向けて新しいフレーム物色してます。タイミングが合えば導入してみたいですが、難しければ来年もアルミの神(笑)に乗り続けます。

      キャニオンは基本的にサイトからの直販になりますもんねぇ。試乗したいですけど、イベントとかで出展してるのに行かない限り難しいので、ちょっとハードルありますよね。
      今後のモデルはほぼディスクになっていくようですが、アルミは逆にリムブレーキが残っていくんでしょうかね?全モデルをディスク仕様とリム仕様の両方用意して欲しいですが、メーカー的には負担でしかないでしょうからねぇ。