吉野大峰ヒルクライム2018【 参戦記 】

はい、ということで参加してきました「第二回吉野大峯ヒルクライム」

天候がかなり心配されていたところですが、ゴール直前までギリギリもってくれたので良かったです。
ただ、下山後すぐに本格的な雨になったので、本当にギリギリでした。
まぁこれも僕の日頃の行いが良いからだと思います。参加者の方は感謝しましょう。

では本番の様子をサクっと振り返り。

■前日~当日会場入り

場所は自宅からそんなに離れていないので、当日移動でも本当はなんとかなるのですが、
せっかくのイベントですので、前日受付でわざわざ前泊しました。

前日はなんか眠くなったので19時過ぎに就寝。
翌朝は3時過ぎに目が覚め、軽く朝食。
4時過ぎくらいから宿泊先の周りをブラブラ散歩。
雨は降っていませんでしたが、立ちこめた雲と肌にまとわりつく湿気が「降りますぞ!」と主張してきます。
ただ、すぐに降り出しそうな気配はなかったので、ゴールするであろう10時前くらいまではなんとか保ってくれそうな気もしました。
宿に戻ると朝食第二部。しっかりとエネルギー補給をします。
その後ストレッチをしてお通じを促します。無事に軽量化。

整列は8時からで、30分も掛からない距離だが6時には出発。宿の親父さんに「がんばって」と言ってもらう。頑張ります。

吉野川沿いをダラダラ流してアップ代わりに。
時間的にまだ余裕があったので、スタート地点から商店街までの区間をおさらいがてらゆ~っくり試走。
スタッフさんがスタートラインの準備してて「スタートここだよ!頑張って」と言ってもらう。頑張ります。

斜度や作戦を復習しつつ、そのまま会場入り。

■目標の確認

今回の目標の再確認です。

タイム:50分切り
順位:上位10%以内(年代別カテゴリー)

「50分切り」というラインは、「前回の上位10%」のタイムを見て設定しました。
今年全体の目標がまず「どっかのヒルクライムレースで上位10%」なので、
それをクリアするためには最低限どのくらいのタイムで走らないとだめか、という点で目標タイムを設定したわけです。

ちなみに、前回(第一回吉野大峰ヒルクライム)に参加したときのタイムは「53分」です。
最近試走した時のベストタイムは「53分30秒」です。

はい、一見すると50分切りなんて無理ですね。

でも、自分は「できるんじゃないか」と思っていました。

まぁ前回大会から結構坂登ってきましたし、また今回は序盤の緩斜面で「集団に乗ってタイムを稼ぐ」という作戦を考えています。
自分のこれまでの努力と「皆さんの力」(他力本願)をもってすれば決して不可能なタイムじゃないと思います。

さて、今回の大会では「裏目標」があります。

今回は基本的には年代順(若い順)でのスタートになるのですが、(50人ずつ一分差でスタートしていきます)
前回優勝者の方と、招待選手である「山の神」は一番後ろからのスタート。

つまりこの大会は「山の神との鬼ごっこ」なワケです。

「第一回 山の神に絶対に追い抜かれてはいけないヒルクライムレース」

なワケです。

山の神とは6分差のスタートです。

まぁ50分前後のレースなので、絶対にどこかで追い抜かれてしまうハズなのですが、
それでも可能な限り遠くまで逃げ続けたいと思います。

金峯神社~ゴールの間で捕まってしまうかとは思いますが、まぁできるだけゴール近くでその背中を見たいものです。

ちなみに山の神の出身地も近くで、帰省の度に吉野山を登られているとのこと。
前回大会にも参加し何度も試走している分、コース知識に関してはコチラに分があるかと思っていましたが、そんなことはなかったです。

ということで「裏目標」

「できるだけゴール付近まで山の神から逃げ続ける」

です。

では、実際のレースを振り返って行きましょう。

ちなみに、菰野ヒルクライムではアクションカメラを付けて動画を撮っていたのですが、
今回はアクションカメラは付けませんでした。
というのは、途中荒れた下りがあって、衝撃で万が一にもカメラが落ちてしまってはいけませんし、
あと今回は目標タイムがかなり難しいので、少しでもバイクを軽量化したかったので、という理由です。

なので、下に貼ってある画像は当日のものではありません

先日の試走時に撮影したものです。他の参加者の姿を脳内で補完してください。

■スタート~商店街

50人ずつのスタートになります。

この区間は緩斜面で道幅も広く全コース中でもスピードを出しやすい区間です。
かならずハイペースでタイムを稼ぎに来る集団ができるのは予想できますので、
「集団には必ず乗る」というのが作戦です。

また、参加者リストをチェックして事前に「前回大会で50分以内の参加者」をチェックしておきました。(勉強熱心だ)
その方に付いていけば、まぁ高い確率で自分も目標の50切りが達成できるというワケです。

なので、スタートする際はそのチェックした参加者を見失いように注意していました。

さぁ、いよいよスタートです。

スタート後、やはりそこそこのスピードで飛ばす集団ができました。
千切れないように後ろに付かせてもらいます。
集団に付くことでやはり多少の楽は出来るものの、やはり自分の脚力からしたら少しハイペースです。
体力消耗は覚悟の上で、少し無理してでも付いていくことにします。

「前回大会で50分以内の参加者」の方を先頭とした集団も形成されていたので、
そちらに乗らせてもらいます。
これに付いて行けば問題ないなと、作戦通りのオイシイ展開になりました。

しばらく、その集団で走っていましたが、
そこそこ速いペースではあるのですが、

いや、思いのほか、そんなには速くはない?という思いに。

この先頭の方、前回48分くらいのタイムだったと思っていましたが、
それくらいの実力ならもっとグイグイ行っても良いハズ。

ていうか、なんか変な服装で走ってはるんですよね(失礼)。

あれ?今回、もしかして本気で走らないの?

うーーん、個人的にはもう少し速いペースで良いと思うし、どうしよー……

と考えているうちに、後ろからさらに速いペースの集団が抜けていきました。

よし!俺も!

とここは意を決して別の集団に乗り換えました

その後はその集団内で走らせてもらいましたが、
下りで千切れてしまいました。

うーん、下り苦手なんですよねー。
どうしても上手くスピードに乗れなくて、
あとカーブも怖いんで減速もかなりしちゃう。

まぁ、緩斜面・下りの区間はそろそろ終わるので、ここらが潮時か、と自分のペースに戻します。
ここまでかなり集団の恩恵を得ることができたので、この区間は狙い通りに行ったかなと思います。

さぁトンネルを抜けて商店街に入っていきます。

ちなみに試走時のここまでのタイムは14分。

そして今回のタイムは12分30秒

かなりタイムを稼げました。よっしゃよっしゃ。

■商店街~林道~金峯神社

商店街の沿道人達が応援してくれてましたので、手を振って応えます。

さぁ林道に入ると、同じ景色が延々と続く我慢の区間です。

斜度が緩んでスピード上げれる時は上げたいですが、基本的には一定ペースで粛々と進んで行きたいと思います。

しばらく行くと、同じ年代カテゴリーの方が前を走っていたので、後ろに付かせてもらいます。
良いペースで走られていた方だったので、しばらく甘えさせてもらうことに。

ただ、いつまでも後ろに張り付いているのも、流石にズルイし、またタイム的にももっとガンガン踏んで行かないとイケナイわけなので、この方の前に出ます。

その流れで少し出力上げて踏みます。
特にローテーションのつもりで前に出たワケでもないですし、この方との距離を離せればそれでも良かったのですが、
どうやら自分の後ろに付いて来られているようです。

やるな!と思いつつ(上から目線)、そのまま踏んで行きます。

しばらくすると今度はその方が前に出て来られました。

そして、おとなしくその方の後ろに付かせてもらう自分。

ということが何度も繰り返されました。
(金峯神社過ぎた後の激坂区間まで続きましたので、結構長い距離ですね)

期せずしてローテーションすることになりました。
特に途中コミュニケーションをとったワケでもないですが、こういうのもレースならではの面白いところですね。

なお、ゴール後その方から「後ろ付かせてもらってすみません」と声を掛けてもらいました。
「いやいや!自分の方こそ!」と答えましたが、実際自分の方が引いてもらってる時間長かったと思います。すみません。。。

そんなこんなで、金峯神社にたどり着きました。

以前に、50分切りを狙うなら「金峯神社で30分以内は必須」と書きましたが、
(試走時のタイムは30分10秒)

今回のタイムは
28分

さぁ、金峯神社をパスすれば最終第三区間に突入です。

■金峯神社~ゴール

最終区間です。

金峯神社を右手にパスすると、しばらくは少し緩やかになります。

が、その後に来る本コースの鬼門「長めの激坂」。

この激坂を上手くこなすことが、その後の体力マネジメントにも大きく関わってきます。

ところで、自分は激坂って実は結構嫌いじゃないです。

キツイのはもちろんキツイのですが、抵抗がある分トルクの掛け方が分かりやすいというか、
レースでも激坂で先行してる人に追いついたりということは結構あります。

さぁ、その激坂に入りました。

が、力が入りません。

あれ?ヤバイ…踏めない……

序盤で無理して集団に付いていったツケが回ってきたのか、出力が上がりません。

ていうか背中がメチャクチャ痛くなってきました。

先ほどローテ回させてもらっていた方とも距離ができてきました。

うわ、ヤバイ、これはこのままタレる流れか……

とかなり嫌な予感がしてきました。

なんとか激坂区間をやり過ごし、下りに入ります。

が、もうココでは踏みません。

ていうか踏めません。もうココでは割り切って足を休めることにしました。

少し斜度が戻り、また下って、そして少し視界が開けるといよいよ最終局面です。

そこそこの斜度がゴールまで延々と続きます。

ここからはあとは気合いと根性で踏み抜くしかないのですが、
自分の気持ちほどは出力を上げることができません。

やはり前半の無理がここに来てやってきたようです。

ただ、泣き言も言ってられません。

できる限り力を出し続けるしかありません。

そしてしばらくすると、
右側から
ヌルリ
と一人の選手に抜かれました。

ん?
この終盤で後ろからのグループに抜かれることなんてあるか?

と思ってその背中を見たら山の神でした。

うわ!ここで抜かれたか!と悔しい思いがありつつも、
それ以上にテンションが上がりまくります。

憧れの山の神が、
生で、
リアルタイムで、
自分の目の前を走っているワケです。

もうね、ほんとテンションMAXです。

できるだけ山の神に付いて行きたい!と力を振り絞ります。

その走りを目に焼き付けるべく山の神の後ろを走ります。

ていうか、今回初めて生で山の神の走りを見たのですが、

めっっちゃ綺麗。

いや、肌がホント白くて、ではなくてですね。
走りがね。

もう本当フォームに無駄がないというか、
ヌルヌル登って行かれます。

特に感動したのがダンシングです。

もうね、
スッ
スッ
スッ
と軽やかに登る、綺麗なダンシングです。

ダンシングって実は自分は未だによく分からんのですよね。

ヒルクライムではダンシングをほとんどしません。
多分99%くらいシッティングで走っています。

ダンシングってどうやっても身体に負担が掛かるので、
使う時ってゴール間近で追い込む時か、よほど体力なくなって上手く回せなくなった時くらいです。
激坂でも基本シッティングで登り続けます。
自分にとってダンシングは「体力を引き替えに高出力をだすもの」でしかないので、
一定ペースで走り続けるヒルクライムでは基本使う理由がないのです。

休むダンシング」というものがありますが、
自分としては「は?休めるわけねーじゃねーか」と思っています。

が、山の神のダンシングを見て、「俺の知ってるダンシングじゃない!」と思いました。

あんなに無駄なく軽やかに、そして速く登ることができるダンシングがあるのかとショックを受けました。

あのダンシングを見れただけでも、この大会に出た意味があったと、割と本気で思ってます。

さて、その後は山の神にできるだけ付いて行こうとしたのですが、流石にしばらくして千切れました。

ていうか後ろで「ゼーハァーゼーハァー」息を荒げながら付いてきている人間がいて、
山の神もさぞかし気持ち悪い思いをされたことだと思います。ごめんなさい。

山の神の後ろに付いてる時はタイム的にはボーナスステージだったと思います。
マリオでいうとスターを取った状態です。

タレかけてた状態から、かなり出力上げることができました。

途中抜かれた方にも追いつきました。

さぁ山の神のお陰でタイムも稼げて、気合いも入りました。

ここで残り2kmの表示。

もう後は残された力で踏み続けるだけです。

もう途中からサイコンは一切見なくなりました。

タイムも出力も関係ありません。

ただ、出せる全開の力でペダルを回すだけです。

残り1km

少し緩やかな下りもあり、ここでもサボらず踏みます。

残り500m

残り200m

そろそろゴール手前の目安である「刺さったら痛そうな木」を見えて来るはずです。

(↑「刺さったら痛そうな木」とはコレのことです)

残り100m

ん?
あれ?

「刺さったら痛そうな木」はまだか?

って、なんかゴールがあるぞ!?

あれ!?まぁいいや!全力で踏め!

はい、ゴール

さぁタイムは。

目標は50分切りでしたが、どうでしょうか。

サイコン確認

49分21秒

目標達成しました。

いやぁ~、できるもんですねぇ。

去年が53分ですから、1年で3分以上タイムを短縮することができました。

ていうか、今回目標達成できたのは、他の参加者の方のお陰です。本気で。

序盤集団に乗っけてもらえなかったらタイム短縮できなかったでしょうし、
また中盤ローテ回させてもらった方もかなり助けてもらいましたし、
そして山の神というカンフル剤、これもかなり効きました。

なので、次に一人で走っても絶対にこのタイムは出ないと思います。
本当に皆様方ありがとうございました。

ま、ていうか、俺の実力を持ってすれば50分切りなんて楽勝ってことですよ。
(手のひらクルクル)

なにしろ、目標を達成できたのは良いことです。気持ちが良いですね。

が、
ちょっと気になることが。

ゴール手前にあるはずの「刺さったら痛そうな木」が見えなかったんですよね。

どっかで見逃してたのかなと思ってゴールの先の方を見たら少し離れた所にありました。

ん?

もしかして……

はい、今回のコース、前回より少し短かったみたいです。

確認したところ、200mくらい?短かった感じ?

じゃぁ今回のタイムも、前回大会の長さだったら………

………。

はい、やめ。

50分切れた。
目標達成した。

それでいいじゃないですか。(逃げ)

それと順位ですが、
分かりません。

雨が強くなりそうだったので、リザルト見ずにご飯食べてすぐに輪行で帰りました。

(吉野でわざわざ何故かカレーうどんを食べる)

順位に関しては上位10%という目標を立てていましたので、
こちらは果たして達成できたのかどうか。

今回主催のFABUのホームページで後日掲載されるようなので、そちらを楽しみに待っておきましょう。

はい、ということで第二回吉野大峰ヒルクライムは「一応」目標達成ということで終了しました。
(200m短縮だったらタイムにして30秒くらいだと思うので、それでも50分切れてるとは思うんですよね……多分)

で、

次はお待ちかね、

富士ヒル

です。

日本最大のヒルクライムイベントです。お祭りです。楽しみですね。
参加される方いらっしゃいましたら頑張りましょう。

それではお疲れ様でした。

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