車坂峠ヒルクライム2022【参戦記】




ということで参加してきました第18回車坂峠ヒルクライム

長野県の小諸市で開催される本大会

大阪からの遠征ですのでちょっとした遠出になります



■前日

新幹線、特急乗り継いでの輪行です

長野とか行く際は車での移動も考えたりするのですが
時間と運転の手間かんがえると
乗りっぱなしで運んでもらえる新幹線にどうにもなってしまいます




大阪を出て5時間後に小諸駅に到着



アニメ「あの夏で待ってる」の舞台がこの小諸であったとか

懐かしい

どうでもいいですが
戸松遥は自分が好きな女性声優のひとりです
(どうした急に)



長野県に来たらとりあえずおやきを食う

その後会場に受付しに行く

が、駅から会場までけっこう登らされる

ていうか斜度がすでにエグい

街中なのに普通に10%くらいの坂が延々と続く

というか明日のレースのコースも
獲得標高1000mくらいで平均斜度が9%くらいとのこと

激坂がそんなに続くヒルクライムレースのコースとかちょっとキイタコトナイ

楽しみな反面、少し怖いような気もするコースだ

受付済ますと宿にチェックインして飯食べたら即寝る



レース当日は10時半スタートとけっこうゆったりめなのだが
移動前日が色々あってあまり寝てなかったので
意識が落ちるように眠った



■当日

しっかり眠れた

目覚まし代わりにそこらを適当に散歩



懐古園というところを散策したのだが
城の跡地を利用してるのか異様に広くて自然豊かで立体的な構造で面白かった

なかには遊園地や動物園まであるらしい
ごった煮すぎる



富士見台という展望スペースがあったが
富士山はちょっと見えなかった
まぁ来月俺の脚で踏みつけてやるからな

宿に戻ってストレッチしたりしてから出発




会場着くとすぐにEさんを発見

顔を見るなり「え!出るんですか!?」と言われる
「ストラバでコメント送ったじゃないですか!」と言い返したが
どうやら見てなかったらしい

スタートまで時間を潰すのだが
2人して気になっていたのが
他の参加者と入賞の枠

せっかく出場するのだからそりゃ入賞できた方が嬉しい

ただ、今回は事前に出走リストが発表されていない

なので、他にどんな強豪選手が居るのか分からないので
何位くらいを狙えそうなのかがまったく不明



これが参加する側としたら非常にモヤモヤする


速い人が事前に分かっていれば
マークなどしたりして動きを注意もできるが今回はそれもできない


自分やEさんからすると完全にアウェイな土地なので
他の参加者の情報もまったくない状態


周りのジャージを見ると関東圏の強豪チームの人が居たりするようだが
どれくらい速い人なのかもまったく分からん

まあ今更どうしようもない

ただ、今回の出走方法は年代関係なく自由なグループ順でスタートするというもの

速い人達は先頭のグループに集まるだろうから
自分もその先頭グループで出走して
速い人達にとりあえず付いて行こうとすれば良いか
という、行き当たりばったりな作戦をとることにした


なので
実際に整列が開始すると、先頭グループの前の方に並ぶ

すると関西の強豪NBTさんがいらっしゃった


自分はお話したことはなかったのだが
大会の表彰式では何度も拝見したことあるし
ストラバのセグメントでも必ず上位にいらっしゃるので
お名前はもちろん知っていた

なのでご挨拶はしておくことにした

NBTさんの実力ならばトップ争いの位置になるのは間違いないだろうし
自分としてもなるべくその背中を視野に留められるように進行していきたいところ




さてスタート時刻がだんだんと近づくのだが
なにしろ寒い

そもそも標高が高い土地だし
また割と風も強めで体感気温はヒト桁台とかそんな感じ


走りだせば身体も温まるのだろうが
こんな状態ではいきなり強度を上げるのは難しいだろう


まあ、それはみんな同じ条件

なるようにしかならない


さあ、スタートだ




■スタート

今回のコース
いきなりそこそこの斜度でスタートする



ヒルクライムレースのコースは
おおむね序盤が緩斜面で
いきなりスピード上がってふるい落としが掛かるというのがありがちだが
今回はそんは心配がない



そこそこの強度ではあるが我慢できるくらいのペースで進行する

特に誰かが抜け出すという展開もなくジリジリと登っていく



自分の位置としても先頭を見据えられる場所をキープしており
またトップ争いに加わるだろうNBTさんの背中も視界にある

とりあえずはこの位置を守りながら走り続けることにする



ペーストしてはそこそこキツイ
が、我慢出来ないほどではない

緩斜面で集団がペースアップして、
という状況は警戒しないとならないが、
今回のコースプロフィールからするとそんな場面は出てこないだろう

単純な登坂能力の勝負・パワーウェイトレシオ勝負になるな
そう思いながら登り続ける



10分ほど経過したところで集団がほころび始める

前を見るとNBTさんともうお一人が徐々に先行し始めてる

強いアタックがかけられた訳ではないだろう
二人ともおそらく自分のペースで登ってるだけだろう

そのペースについていけない者がこぼれてていく

なんとも分かりやすい登坂能力比べとなったな、と思う



自分自身もあくまで自分のペースで上る


前の選手を何人か抜き、
というか
イメージとしては「前の選手が落ちていき」という感じだが



しばらくすると
先行2名
距離をあけてもう一人と自分、という状況に落ち着いた


現状自分は4番手
実力的には先行2名にはもう追い付けないだろう

ということは前にいるひとりの選手との着争いか


この大会では参加者リストが公表されていないので
他にどんな強豪選手がいるかがまったくわからない

なので、自分の前にいる選手も当然知らないし実力も未知数

様子見で前に出てみるかと少しペースを上げて前に出る


このまま距離をつけれるかと思ったが
その方はきっちりついて来て、さらにまた自分の前に出た


間違いなく実力者だな


やはりこの方との勝負になるなとあらためて思う


しばらくその方が前に自分が少し後方でという状態で進行



で、ある程度走っていると
やはり自分の順位が何位になりそうかということが気になり始める


後ろから追い付かれるということはもうないだろうから
現状の着争いは3、4位をこの方と競うということになる


今回の表彰対象は年代別で3位まで

さらに今回のスタート方法は年代無視
色々な年代クラスがごっちゃになっている

つまり現状自分が年代別で何位なのかが分からないのだ

NBTさんは30代だと事前に聞いたが
先行するもう一人は不明

さらに自分の前の方の年代も当然わからない


つまり2人の年代によって自分の順位は結構変わってしまう
先行する全員が30代でこの目の前の方に破れた場合、
自分は表彰台を逃してしまう

それは勘弁だ


で、気になりすぎて走りながら
目の前の方に年代を聞いた


レース中になにやってんだ!
と思われるかもしれないが
順位というのもモチベーションに繋がるので
特に気にせず声をかけた


自分は30代なんですけど
と声をかけると
「●●さんですよね?」と思いかけず逆に言われた


ん?なんで名前知ってるんだ
と思いつつ話を続けると
その方はNGWさんという方だった


NGWさんですか!
と驚く自分



今までお話したことはなかったものの
自分はNGWさんのことを前からずっと存じ上げていた


2019年の菰野、伊吹山では一緒に表彰台に上がり
その後の吉野大峯、乗鞍、大台が原でもご一緒させていただいている

自分はNGWさんがかなりの強者だということは一方的に知っていたので
各大会でも参加者リストにNGWさんのお名前があれば
きっちりマークしておき
レース本番でもNGWさんを視野に入れて進行するということは何度もしてきた


初参加の大会でペースが分からなくても
強者のNGWさんに付いて行けばまず「間違いない」からだ

だから自分からするとNGWさんはよっく知ってる存在だったのだ

というか
NGWさんが自分の名前を知ってくださっていたことが
何となく嬉しくそのことでもテンションが上がる

NGWさんは40代クラスのようで
自分とは年代順位の争いにはならないが

いやもう、
そんなことは関係なく勝負させてもらうしかない


自分がずっと知っていた強者とこんなところで偶然出会ったのだ

勝負せんともったいなかろうが!



するとNGWさんが少しペースを上げられて先行する


仲良くサイクリング
ってワケにいかんよな!そりゃ!



一旦距離が開くとその差がどんどん開く

速い方なのはもちろん知ってたが
昨年の富士ヒルでは年代チャンプまで穫られている
そりゃ強いわ


こちらも負けるつもりはサラサラないがそれでも距離がジリジリ開く
最大数十秒差くらいまで開く


厳しいなこれは


ただ自分も我慢しながら踏んで行く

決定的な差にならないよう必死にその背中を追い続ける

中盤以降は九十九折りが連続する

下側のコースも見通せるので後続との位置を確認する


距離としては一分くらいの差はあるか?
おそらくもう後ろに追いつかれることはないだろう
となるとやはりあとはNGWさんとの勝負になる




現在のタイムを見ると30分くらい
ゴール到達タイムはおそらく40分前後

残り10分ほどあるはずだが脚が相当重い


今回のコース平均斜度は9%近い激坂
そんな激坂を1000m登り続けるというかなりタフなコースだ

自分が普段走ってる十三峠も同じくらいの斜度ではあるが
それを40分くらい登るというのは流石に未経験


序盤からなるべく脚を使わないよう
上ハンでハムを使って筋肉の温存に気を使っていたが
それでもキツイのはキツイ


ただ、「自分がキツイなら他の人間もキツイはずだ」と思い
我慢しながら踏んでいく




残り2キロの看板が見えたあたりでようやくNGWさんの背中に追い付く


そのまま前に出て踏む



ここで距離を作って勝負を決めてやる


一旦差を付けることができたが油断することはできない


現在のタイムからするとゴールは近いはずだ


彼方にホテルのような建物が見えた

あそこがゴールか

ここまでくれば脚を緩める気など起こらない



あそこを曲がればゴールだろうという最後のストレート


だが
すぐ後ろに気配


強ぇなこの人は!


だがここまで来て負けたくもない


踏む


カーブを曲がり最後まで踏みつけてなんとか先着



間髪入れずNGWさんもゴール


あとから発表されたリザルトでは0.6秒差だった



きっつ……



いや、それ以上に楽しかった




■ゴール後

お疲れ様でしたとNGWさんに声を掛ける


ずっと自分が知っていた方と
こんな形で勝負することになるとはまさか思っていなかったし
というか知らずに声掛けた方が偶然NGWさんだったというのが面白すぎる


いや、マジでこれ誰か台本作ってんのか?



2人でそのまま荷物置き場に移動してると先行の2名が居た

どちらが先着でしたかと尋ねると
NBTさんとは別の方が勝ったとのこと

マジか

関西ではトップレベルのクライマーであるNBTさんから先着したのかよ…

聞けばその方は30代とのこと
てことは自分はクラス3着か

まだ、後発の別グループの出走もあるが
まあ実力者は先頭グループでスタートしただろうし
この着順がそのまま最終リザルトだろうなと思う


NGWさんはぶっちぎりの40代クラス優勝
富士ヒル年代チャンピオンだしな
何とも羨ましい肩書きをお持ちだ


その後Eさんもゴールして来られたが
タイムを聞くとそこまでよろしくはない
本人は実力通りだと言われてたが
Eさんの本来の実力を発揮すれば絶対もっと良い成績のハズだと思う
コンディションや気温などもろもろのマイナス要素があってのことだろう



その後移動して昼食のカレーをいただいた
また金券も参加賞としてもらっており
それもパンやお米、お菓子などと交換してもらえる

参加費は7000円だったが
その金額にしてはかなり至れり尽くせりなオモテナシだった

また抽選会もありクロスバイクも景品として用意されていた
この大会、コスパ良すぎないか?




表彰式までは待機時間が結構あり
NGWさんとも色々お話させていただく

冬場のオフシーズンになると
トレーニング代わりに登山をされてるらしくそんな話も興味深く聞く



あとNGWさんのバイクが
これぞクライミングバイクという完璧なパーツ構成でめっちゃ格好良かった
泣く子も黙るライトウェイトは履かれてるが
何か突飛な軽量パーツを使われてるワケでもなく5.6キロくらい言われていた
クライミングバイクの完成形だなと思った




その後は表彰式

結局自分は年代3位

表彰「台」に乗るのは久しぶりな気がして気分も良い

ただ先行二名とは2分ものタイム差があった
この実力差を見ると素直に喜べない部分もあるが
まあ今後埋めて行きたい


あと、何気に総合3位でもあったようで総合の表彰もしてもらえた
というかNGWさんとは総合3位争いになっていたようなので
頑張って良かった~…
と胸を撫で下ろした

総合の表彰式ではシャンパンファイトも行われた

自分の真横で栓が抜かれるのだが
デカい音がするのかなと思って横でめっちゃビクビクしていた
と思ったらやっぱりデカい音して思わず仰け反る



表彰式の後は抽選会があるのだが
予約してる新幹線の時間があるので自分は途中退場することに

Eさんも帰るとのことだったので一緒に下山することに

NGWさんとはまた大会でお会いできそうなので
またの勝負を約束して別れる


下山中あらためて周りの景色を見るとまだ桜の花が残っていたりした

色々楽しい大会だったなと思いながら帰途に着いた





■まとめ

ということで無事に終了しました車坂峠ヒルクライム

初めて参加した大会でしたが
非常に走りごたえのあるプロフィールで
「これぞヒルクライム」というコースでした

また、ゴール後のオモテナシなども充実しており
今まで参加した大会の中でもすごく良い大会だと思いました

個人的におすすめの大会です


結果としては年代3位、総合3位と良いものだったと思いますし
まぁおおむね満足ではあるのですが
上位2名とはかなりのタイム差があったのは素直に悔しいです

その差が伸びしろ、と前向きに捉えて練習して行こうと思います



というか今回の大会参加は本当に愉快なものでした

ずっと追いかけてた方、ライバル視してた方と
レース中に本当に偶然お会いして勝負ができるという、
なかなか起こりえないような状況が発生して
とても面白い経験をしたと思っています



自分が大会、レースに参加する理由ですが
こうした「大変愉快な経験ができる」というのも
理由のひとつなのかなと思います



大会の参加って結構お金掛かると思います

エントリー費
交通費
宿泊費など
もろもろの経費計算すると決して安くない金額が
いっこの大会出るだけで飛んでいきます


ただ、大会に参加しないと経験できないこと
というのはやはり存在しますし
しかもその経験というのは
まぁ今回の大会のように飛び切り愉快なものだったりします

このような体験というのは普通お金で買えるものではありませんし
そういう意味では大会参加の経費というのも決して高くないというか
むしろお金の使い方としては大変有意義な使い方としていると
個人的には思っています


結局まだ記事に書いてませんが
前回参加した ちくさヒルクライムもめちゃくちゃ楽しかったです


ふと振り返ってみると
今まで自分が参加した大会って結構な数になってるかと思います

ただ、その参加した大会の記憶って
なんか全部鮮明に覚えてたりします

前日どのように過ごしたか
スタート前に何を考えてたか
レース中にどのようなことが起こったか
ゴール後に誰とどんな話をしたか

そうしたことはすべて覚えていますし
たまに思い返してみたりして
ひとりニヤニヤしてることも多々あります


そのどれもが自分の中で「とても貴重な体験」であり
そうした何物にも代え難い体験が
自分の中に積み重なっていくというのは
まぁ何というか、とても面白いことだと思います

このブログも結局書き続けてるのは
「自分が読み直してニヤニヤするため」であり
そういう意味では日記・備忘録として大変「正しい姿」なのかとも思っています





さて、次戦は富士ヒルです

去年の富士ヒルに失敗してからの1年間
このために練習を続けてきました

目標はプラチナです


獲れるのかって?



愚問です





獲る つってんだろうがよ




それではお疲れさまでした。

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