はい、ということでレース当日です。
前々日、前日とは打って変わっての快晴です。
これもひとえに俺の日頃の行いが良いお陰です。良かったですね皆さん。(謎の恩着せがましさ)
会場からゴール付近の山頂もハッキリと見ることができます。
自分のカテゴリーの列に自転車を整列させ、スタートまで待機です。
スタート順は、チャンピオンクラスを先頭に、女子、クラスAと順番に出走していきますが、
自分のクラスC(30代?)はなぜか、一番最後の出走。
クラスCはさらに3グループに分けられており、
自分は最後から2番目のスタートになります。
クラスCが一番最後というのがかなり謎だったのですが、
まぁ各クラスの平均タイムからなるべく遅い時間までコースに参加者が残らないようにという運営側が計算された順番なのだと思います。
さて、開会式がすみ、チャンピオンクラスの出走を見届けると、自分のスタートまでは1時間以上あります。
その間はトイレ行ったり適当にブラブラして時間をつぶします。
8時くらいにはチャンピオンクラスの優勝者がアナウンスでネタバレされました。
(後からの楽しみにしてたのに…!)
そうこうしてる間にいよいよスタートの時間に。
■作戦
あらためてコースの全容を見てみますが、この乗鞍は大会が2つのチェックポイントを設けている箇所で割ときれいにコースの特徴が分かれていますので、その3区間をもとに作戦を立てることになるかと思います。
1、スタート~三本滝(第一CP)
比較的緩やかな区間。
2、三本滝~位ヶ原山荘(第二CP)
本格的な登りが始まり、急勾配のあるつづら折りが続く区間。
3、位ヶ原山荘~ゴール
森林限界へと突入し低酸素領域となる最終区間。
という感じです。
作戦と呼べるものは特に今回ないのですが(毎回ないですが)、
唯一試走できたのは三本滝までですし、各CPの目標到達タイムというのも特に設定していません。
自分のパワー出力で290Wを目安にイーブンペースで走っていければとは考えていました。
また、三本滝までは「速い人で20分切る」という漠然とした情報を得ていましたので、
三本滝で20分前後であれば良いなと思っている程度。
あとは、実際に試走して三本滝までは勾配が緩やかなのが実感できましたので、この最初の区間はやはり集団の後ろに付きながら走りたいとは思っていました。
その後の、~位ヶ原~ゴールは未知の区間ですので、あくまで無理せずイーブンペース、位ヶ原以降は体力と相談しながら最終的にペースを上げて行く、という漠然とした作戦です。
ま、実際に走ってみないと分からないので、出たとこ勝負という感じです。(結局作戦がないのと同義)
さていよいよスタートです。
■スタート~三本滝(第一区間)
早めに会場入りしてグループの先頭付近に自転車を置いておいたので、スタートも先頭を確保できました。
乗鞍ガールがスタート一分前と30秒前にそれぞれボードを掲げますので、その露出度の高い身体を目に焼き付けます集中力を高めます。
そしてスタート。
あくまで自分のペースで走り、三本滝までは集団の利を得るために、なるべく誰かの後ろに付きます。
最序盤は数人程度の集団で進み、ホテル湯楽里のカーブを曲がったところで後ろから少し速い集団に抜かれます。
ペース的におそらく上位を狙ってる人たち(もしくは無理してる人たち)なので、付いて行けるところまでは付いて行こうと後ろに乗っかります。
が、オーバーペースにならないように気を付け、無理して付いていこうとはしなかったため、自然と距離が開き始め集団からは離れます。
その後はペースが合う人の後ろに付きつつ、スピード上げれそうなタイミングで前に出て、乗り捨てながら(最悪だ)進んでいくことに。
さて、途中道路わきに救急車と、自転車から降りてる参加者達の姿が。
集団落車か?いや、でも、カーブでもなく単調な登りのこんなところで落車なんて起こるか?と頭に疑問符を浮かべながら通過。
あとから見たニュースで「スズメバチ」に襲われたということを知りました。
タイミング的には自分も巻き込まれかねない時間帯だったと思いますが自分は事なきを得ました。
被害にあわれた方はせっかくのレースなのにこんな事故に合われてしまってさぞ残念だったかと思います。
その後は乗り捨て作戦(最悪)をしながら三本滝に到着。
タイムを見ると20分30秒。
まぁ悪くないか?と思いつつ未知の領域、第二区間へと突入します。
■三本滝~位ヶ原山荘(第二区間)
斜度が上がり始めるが、まだまだそんなにキツくはない。
あくまでイーブンペース。
緩斜面、少しの下りなどは見逃さずに速度を上げていく。
「中間地点」と書かれた看板を通過した時はタイム31分30秒程度。
何をもって「中間」なんだ?
単純な距離?
タイム?
まさか今のタイム×2でゴールできるとは思えないが…
とボンヤリ考えながら「中間地点」を通過。
イン側がかなりの勾配になるつづら折りが続くエリアへと到達。
他の参加者達は「斜度の緩いアウト側を走る」という鉄則を守っている。
自分も基本的には体力温存のためその鉄則に従いながらアウト側を進む。
が、結果としてアウト側は参加者達で結構な渋滞気味になる。
そうした場面ではあえてイン側を選択。
シッティングで高トルクorダンシングでと切り抜ける。
これが意外としんどくない。
「アウト側を長距離」と「イン側を高出力で短距離」を比較した場合、実は後者の負担は案外小さく、またタイムも短縮できるので、今にして思えばもっと積極的にイン側を選択しても良かったかもしれない。
その後もイーブンペースで進行。
出力が落ちもしないが、逆に上がりもしない。
調子が良い時は中盤から自然と出力が上がってくるが、今回はそんな感じでもない。
そして位ヶ原山荘に到着。
この時点でタイムは50分30秒。
■位ヶ原山荘~ゴール(第三区間)
さぁ最終区間です。
タイムは置いといて「もう着いたのか」という印象。
そのタイムはというと、ここで50分30秒。
先の記事で目標を65分としていましたが、
いや、これ、あと15分でゴールできるか?という思いに。
先日バスで通った時はここからゴール地点まで20分くらいかかってたような。
まぁ目標タイムに間に合うかどうかはおいといて、どちらにしろ残りは僅かなハズです。
おそらく時間にして掛かったとしても20分程度かと。
ここから出力を上げて行きたいところです。
そして周りの木々の高さは低くなり、森林限界へと突入。
ここからは本当に絶景でした。
眼下にはこれまで自身の力で登ってきた乗鞍の美しい山の景色が広がり、
そして見上げれば山頂へと続く天空の道が見渡せます。
疲労と終盤への追い込みで神経が張りつめているにも関わらず、
その絶景には思わず見とれてしまいました。
すみません、写真は撮ってないので、その景色はよそのサイトなどで見てください。
いや、ていうか是非ご自身の目で見てください。
「乗鞍は別格」と言われますが、その言葉の意味が分かる景色です。
さて、山頂へと続く天空の道が見渡せる、と書きましたが、
これが逆にウンザリする部分でもあります。
まだあんな所まで登るのか…と嫌でも残りの短くない距離が分かってしまうからです。
心が折れてしまいそうにもなってしまいますが、
さらに逆に言えば、泣いても笑ってもあそこまでしかもう走れないワケです。
あそこまで全力で走りきる!と集中力を保ちます。
高度のため空気が薄くなる、と聞いていましたが、自分は良く分かりませんでした。
レース終盤はどちらにしろゼーハーゼーハーと酸欠の金魚みたいな状態でいつも走っていますので、
それが追い込んでるためなのか、低酸素領域のためのなのかが判別できません。
途中、先にゴールした人達の下山集団とスライドしました。
ただでさえ、道幅が狭いなか、これはちょっとツラかったです。
先発の上の年代のクラスの方々が大勢コースに残っており、
皆さん終盤の疲労で余裕もなく、道いっぱいに広がって走ってたりしてますので、かなり渋滞気味に。
後ろから「右抜きます」と声を掛けさせてもらいますが、ちょいちょいその渋滞のためスピードが殺される羽目になります。
一番後発のクラスCが、こういった部分で割を食っているところがあり、正直残念な部分ではありました。
さて、そうは言いつつも、もうゴール間近です。
沿道の応援の方々から声援をいただきながら、もがき続けます。
テレビや動画で何度も見たことがある、ストレート区間。もうホントに最後の最後。
最後の力を振り絞ります。
そして左に曲がって、ゴール。
乗鞍を無事完走しました。
疲労感と達成感と、もう終わってしまったのかという寂しさも感じます。
また来年、絶対に来ようとこの時点で思いました。
ゴール後周りを見渡すと、荒天の前日とはまったく違う景色が広がっていました。
風はありますが、空には青空が覗き、乗鞍畳平を象徴する鶴ヶ池の美しい姿も目の前に広がります。
■タイム
さて、肝心のタイムですが、
先日の記事で
十三峠の4倍が乗鞍のタイム
という説を身をもって検証すべく、
事前に十三峠のタイムを計測してきました。
その時のタイムが16分26秒
これを4倍して1時間5分44秒
キリのいいところで1時間5分切り
これを今回の目標タイムとして設定していました。
そして実際の今回の乗鞍のタイム↓
1時間10分36秒
サーセンwwwwwwwwww
全力で走っての結果ですので言い訳のしようもございませんwwww
ちょっと今回、自分の脚力に対する認識をあらためました。
わたくし、本質的に登りが苦手です(今更すぎる)
というか長い登りが苦手と言いますか、
実は今回の乗鞍のように1時間を超えるヒルクライムって、数回程度しか経験ないんですよね。
なので、そもそも1時間超のヒルクライムをするだけの身体ができていないというか、持久力が無いというか、体力マネジメントの術を知らないというか
50分以内程度のヒルクライムであれば、自分で目標とする出力をおおよそ維持できるのですが、
1時間超のヒルクライムだと、持久力が足りずに出力が維持できないというありさま。
ちょっと今後は1時間超のヒルクライム対策として、持久力向上できるような練習方法を模索していこうかと思います。
で、順位の方ですが、
今回クラスCの参加者数は602名だったようでして、
そして自分の今回の順位は↓
58位/602人
タイムに関してはけちょんけちょんでしたが、今年のひとつの目標だった「上位10%」をギリギリ達成できました。
大会によって参加者のレベルがまちまちなので、「上位●%」という基準もかなりあやふやなものではありますが、
まぁレベルの高い参加者が集う乗鞍で上位10%ですので、文句なく「上位10%達成」したと胸を張って言って良いでしょう。
■下山
相当な数の参加者の上に自分達のクラスCは出走順がほぼケツでしたので、下山までは結構またされました。
が、いざ下山になると、これがまた景色が最高。
今まで登ってきた乗鞍の素晴らしい景色を堪能しながらゆっくりと下っていきます。
ちなみに下山時の格好ですが、冬用ジャージをしっかり着込んでる方も多かったですが、自分は半そでジャージの下に夏用長袖ジャージを着ただけでした。
もちろん暑さ寒さの感じ方はひとそれぞれですが、自分は上記格好で寒くもなく暑くもなく快適に下山できました。
個人的には快晴の時の乗鞍は下山時でもそんなに防寒対策しなくて大丈夫な気がします。
■帰り
その後は無事に乗鞍観光センターまで下山。
帰りも輪行なのですが、
時間に余裕のない便の新幹線を予約してしまったばかりに、
下山後すぐに松本駅へと出発しました。
乗鞍高原から松本駅へは県道84号線→国道158号線をひたすら行けば良いのですが、
まぁ参加された方なら分かると思いますが、
途中のトンネルがハンパないです。
暗くて狭くて長くて何カ所もあります。
行きはバスで通ったのですが、
トンネルを通るときバスの中で
「あ、これ自転車で通ったらアカンやつや」と思いました。
なので今回の帰りも恐怖のトンネル群を迂回すべく、
奈川温泉→県道25号線
というルートでできるだけトンネルを回避しようとしたのですが、
間違って84号線を進んでしまいました(どうやったら間違える)
あの、トンネルの連続は本当に怖かったです。
正直、自転車で走るのは本当にオススメしません。
※トンネルすべて抜けたところで他の自転車乗りの方に出会ったので「トンネル怖かったすねぇ!」と声をかけたら「田舎の方とかもっとヤバイのありますよ」とケロッとされてました。猛者だ…
その後はなんとか松本駅へ到着。
輪行の準備をして、特急しなのに乗り込みやっと一息。
駅弁と缶ビールで一杯やります。
帰りの新幹線(今回は特急ですが)で飲む缶ビールは最強です。
その後は流石に疲れていたのか、うたた寝しながらも乗り過ごすことなく、無事に大阪へと帰りました。
■まとめ
ということで無事に終了しました乗鞍。
今回参加して思ったのは「やはり乗鞍は別格」ということ。
最高レベル
最高の標高
最高の景色
そこまで数多くのヒルクライムイベントに参加してるわけではないですが、
今のところ自分の中で乗鞍は「最高のヒルクライムレース」です。
来年はどういうスタンスでどういうペースでどのイベントに参加するのかはまったく未定なのですが、
今のところ乗鞍だけは絶対に出ようと思っています。
でも、
本当、
悪天候だけはかんべんな!
はい、次の参加レースは大台ヶ原です。
台風の影響で現在コースが通行止めになっているようですが、本番は大丈夫でしょうか。
こちらも乗鞍と同じく1時間超の長丁場になりますので、本番までに持久力を鍛えておきたいところです。
それではお疲れさまでした。
コメント
自走でトンネルが苦手なら、スーパー林道で白樺峠(と境峠)を越えて藪原/木曽福島に抜けるコースもありますよ。レースのあとにもう二つ峠越えるのはちょっとしんどいですが、乗鞍側からなら下りの方がずっと長いです(逆は結構脚を使うので往路にはおすすめしません)。
私はいつもこのコースで大阪に帰ってます。木曽福島駅からなので多少特急料金も安くなりますw
h.sakaiさま
こんにちは。
そちらのルート、実は地図見ながら一度考えたことがあります。ただ、情報があまり見当たらなかったのでリスク考慮して通りませんでした。
ただ、問題なく走れるルートなんですね。大変ありがたい貴重な情報ありがとうございます!
今年はこっちのルート通って帰ることにします!交通費節約できるのも有難い!