少し前のことですが
フロントディレイラーが台座ごとモゲました(観察さん歓喜案件)
モゲた原因ですが
落車だったりぶつけたりとかの事故ではなく
汗
が原因です
自分はローラーでも同じ自転車を使用してるのですが
汗による被害がスゴイです
色んな金属パーツがすぐ錆びます
FDの台座も汗でじょじょに腐食してきており
(これはいつか取れちゃいそうだな…)
という予感はあったので
ライド中にフロントを変速しようとして
ゴリッと台座ごとFDが取れた時は
あ、ついに…
という感じではありました
みんなも汗には気をつけよう!(戒め)
で、当初は
リベット打ち直しての台座部分の修理を考えていたのですが
費用と時間が掛かりそうだったので
一旦はフロントシングルにして対応することにしました
年内のレース等がすべて終わって
冬になってから修理に出そうと考えました
が、
いざフロントシングルにしてみると
いや、これもう
フロントシングルでイイじゃないか
むしろ
フロントシングル、
ほぼメリットしかないんだが?
と、結局フロントシングルのまま運用することになりました
ヒルクライム特化だと
フロントシングルにしてる方はちょいちょい居ます
ただ、
実際、普段使いにはどうなの?
と思われる方も多いでしょう
自分が
普段使い、練習、レース等に数ヶ月ほど使用してみて
感じたデメリットはひとつだけ
それ以外はメリットしかない
と思いました
なので、
それらを今回まとめてみようと思います
■デメリット
最高速度の幅が狭まる
まあ正確には
ギヤ比が狭まる
という言い方になるかと思いますが
以下は自分が今まで
フロントダブルに使用してたときのギヤ比と
フロントシングルにしたギヤ比
をまとめたものになります
(縦軸が後ろギヤ、横軸が前ギヤ、左表がダブル、右表がシングル)
以前は前52/36T、後ろ11-28Tだったのを
前42T、後ろ11-30Tに変更しました
小さい方(ロー側)は
ダブルの時と同じくらいのギヤ比を実装できます
(実際には最小ギヤは一枚分あえて重くしました。レースでは使わなかったので)
で、ご覧の通り
大きいギヤ比(トップ側)は
かなり捨てることになってます
自分の踏み方だと
自力で50km/hくらいまでしか出せないギヤ比になりました
それ以上の速度は
このギヤ比では厳しいです
おそらく
フロントシングル化の最大のデメリットはこの
「最高スピードが制限される」
という点だと思います
で、
逆に、
これくらいです
デメリットは
この点が許容できるなら
全然問題ないと思います
自分の場合
まあ50km/h以上で踏むことなど
基本ないです
出る大会はヒルクライムレースだけですし
平地では踏まないですし
いわんや、下りも踏みません
つまり自分にとっては
「そもそも使用してなかったギヤ比」
を外すだけなので
フロントシングルによる弊害というものは
まるでなかった
ということになります
もうね、
あとはメリットしかないですよ
ということで以下は自分が感じたメリットです
メリット① 軽量化
フロントシングル化する人の目的はおおむねここかと思います
ただ、フロントシングル化してもそこまで大きな軽量化はできないかなとは正直思います
まずフロントディレイラーをまるごと外せます
これでおおむね70g
紐式変速の場合
ワイヤー類も外せます
→ざっくり30gくらいの軽量化
チェーンリングも当然
一枚にできて軽量化できます
使用するリングの種類によると思いますが
通常だとだいたい100gほどでしょうか
あとはレバー(STI)ですが
スラム等、変速レバーを取り外せる場合なら
50gほど
使用してるのがシマノなら
残念ながらパーツを外せないため、軽量化はできません
が、裏技として
Di2のSTIに変更することで軽量化することができます
(YKさんに教えてもらった)
電動用のStiは機械式と比べてかなり軽いです
機械式をDi2に変更し
さらに不要な電動部品も外せば
合計80gほど軽量化できます
ただ、機械式と電動レバーは
形状が少し違うので
左右で機械式、電動式が混在する場合
走行中にブラケット握った時にかなり違和感があります
(すぐに慣れるとは思いますが)
フロントシングル化で
可能な軽量化パーツはこれくらいでしょうか
使用パーツの環境によりますが
150~300gくらいの軽量化が可能かと思います
フロントシングル化という
かなり大掛かりな変更にしては
軽量化できる幅は思いのほか小さい
と個人的に思いますが、どうでしょうか
メリット② ナローワイドのチェーンリングを使える
リングの歯が
幅広になっているナローワイドタイプ
これはバチクソ良いです
本来はチェーン落ちを防止するのが目的の機構なのでしょうが
チェーンがリングの歯にガッシリ噛み合う一体感は
マジで良いです
リングの歯て本来はかなり薄く
チェーンの穴に対して
左右に結構隙間があります
今までは気にしていませんでしたが
チェーンが駆動するときに
その隙間があるために
実は左右に少しブレてたのだと思います
ナローワイドはこの左右のブレがなくなります
ペダル踏んで
チェーンが駆動するときの剛性感ときたら
ほぃい~キター!
がっちり食い込んだーー!
という感じです
(危険なネタ)
実際、チェーンの駆動効率は確実に上がってると思います
まあ、それで速くなれるか
と言われると
それはまた別のお話ですが
メリット③ フロント変速時のストレスがなくなる
フロントを
アウターからインナーに落とす時
インナーからアウターに上げる時
って
かなり気を使わないでしょうか
自分は
フロント変速ってめちゃくちゃストレスでした
リア変速と違いフロント変速は
物理的にかなり大きな動きになりますので
その分、大きな抵抗やストレスが掛かります
チェーン落ちするリスクもあります
また、スムーズなギヤ比で回し続けるために
フロントを変えるだけでなく
リア側も同時にかなりガチャガチャ変速する必要があります
これが、自分にはかなりのストレスでした
平坦から登りになってインナーに落とすときも
「よ、よーし!インナーに今から落とすぞ……!!」
という謎の意気込みが必要でしたし
レース中でたまに平坦区間などが挟まれる場合も
これまで踏んでたペースを崩されるのですから相当不愉快です
(そしてどうせすぐまたインナーに戻すことになる)
ワット数という点でも
フロント変速時は脚を緩めざるを得ないので
かなり無駄にパワー値をロスしてるハズです
無駄です、ホント
変速のストレスも
脚緩めるロスも
フロントシングルなら
そんな無駄なロス、ストレスから解放されます
メリット④ 故障、トラブルのリスクが減る
当たり前ですが
フロントディレイラーという
機構がまるこど無くなるのですから
それに付随していたトラブルのリスクが一切無くなります
フロント変速が前提としてある場合
「変速ができない」
というリスクも常に持ち合わせてることになります
ディレイラーの不調か
ワイヤーの問題か
リング側に異常が
など、様々な要因で
「変速できない状況」は起こり得ます
普段走ってる時もストレスですが
これがレース中であれば致命的です
レース中だと即座に対応はできないでしょうから
場合によっては結果に大きく響いてしまうでしょう
使うパーツというのは
少なければ少ないほど良いと思います
パーツが増えると
その分、故障のリスクが増えるワケですから
フロントをシングル化することで
「フロント変速のトラブル」
というかなり大きなリスクを
そもそもゼロ
にできるのは相当な恩恵かと思います
メリット⑤ メンテナンスが楽に。見た目もスッキリ
構造上チェーンは
フロントディレイラーの間を通っていますので
チェーンを掃除するときなど
なにかとこのFDが邪魔です
ですが、このクソ邪魔なFDがいなくなるワケですから
(;ω;)←FD
チェーンの掃除もかなりスムーズに行えます
またワイヤー式変速の場合
ワイヤー類もなくなりますので
今までワイヤーが邪魔で掃除しにくなった場所も楽々掃除ができます
あとは今まで4本あったケーブルが
3本と減り(3/4はでかい)
見た目の印象もかなりスッキリします
(最近のワイヤーフル内装の方々には関係ないでしょうが)
空力的な恩恵もあるはずです
きっと
というのが
自分がフロントシングル化して感じた
デメリットとメリットです
自分の走り方では
メリットしか今のところない感じです
使えるギヤ比が減る
(走れる速度域が狭くなる)
というのが自分が感じた唯一のデメリットであり
逆にそこさえクリアできれば
あとは色んなメリットを享受できると思います
自分はフロントシングル信者になったワケではありませんので
別に布教したりはしませんが
ただ、自分の現在の使用ギヤ比を見直して
問題なさそうであればフロントシングル化してみる、というのは
全然アリなんじゃないかと思います