趣味10年




自転車というものが趣味になって
どうやら10年は経ったようだ


2014年の1月くらいに
クロスバイクを買ったのが始まり


コーダーブルームのRAIL700というクロスバイクで
店頭でたまたま見かけて
クロスバイクでありながら9kg台という軽量仕様で
なんとなく琴線に触れて購入


買った初日に
テンション高いまま無茶してしまうというのはアルアルで

自分の場合
何を思ったか(何も考えてなかったのだろうが)
いきなり自宅の大阪市から貝塚の水間寺まで往復してみようとする

近辺の方なら距離感分かると思うが
往復70kmほどの行程


今であれば何てことない距離ではあるが
運動する習慣がほぼゼロの中年が
いきなりスポーツ自転車で走ろうとする距離ではない

いざ出発すると
サドルが固くてケツは痛い
腰に負担も掛かるしハンドル握る手も痛い


歩道を走ればよいのか車道を走ればよいのかも分からない

車道を走ってみるが
車が真横を通り過ぎるのがメチャクチャ怖い

結局、交通量少ない箇所では車道を
車がバンバン走るときは歩道を走ったりと
なんだかよく分からない


で、走ってると膝が痛くなってきた

ママチャリ乗ってる時の癖で
かなりガニ股でペダルを回してるようで
そのせいか、膝への負担がハンパない


目的地の水間寺に着いた時には
もう満身創痍


尻、腰、腕、膝と身体がマンベンなく痛いし
普段運動してないから疲労でふらふら


いや、これ…
自宅まで帰れるのか…?

と不安になるが
思った通り帰れなくなった


途中で膝が限界を迎え
もうペダルを回すことができなくなった

堺あたりまでは戻ってきたのだが
もう1mmたりとも自転車に乗ることができない



で、堺から大阪市の自宅まで
およそ10kmを自転車押しながら歩いて帰った


というのが
自分の自転車趣味の第一日目




まぁ、
どうせ皆さんも同じような感じだろう(思い込み)



その後もなんだかんだクロスバイクに乗り続け
1年後にはベタな流れでロードバイクを購入して
なんだかんだで10年経って現在に至る





自分は子供の頃はずっとサッカーをやっていて
小学生の時に
地元のスポ少でサッカーチームに入り
中学、高校も部活でサッカーを続けた


当時サッカーを「趣味」だと思っていたかは微妙だが

ものごころ付いてすぐにサッカーを始めたような感じだったから
むしろ
自分=サッカー
みたいな
そういうアイデンティティのようなものだった気がする



で、受験勉強のために
高校の途中でサッカー部を辞めたのだが
その時の「虚無感」というものはハンパなかった

今まで自分自身の大部分を占めていた何かが
ごっそりと消えてしまったような感覚で



ん?あれ?
いまのオレって、何もなくないか??



自分にとって大切な何かを自ら捨ててしまったような
空虚感というか
「やってしまった」感というか
そうした感覚に生まれて初めて襲われた






自分は松本大洋の「ピンポン」という漫画がメチャクチャ好きで

今でもハッキリと覚えているのだが
高校三年生の時
夏休みに学校で夏季講習みたいなものがあって
その帰り道の電車の中で
「ピンポン」の最終巻を読んだのだが


主人公のペコがもうメチャクチャ格好良いのだ

才能があることに調子に乗って
負けて
落ち込んで
落ちぶれて
それでも最後にヒーローとして帰ってくる


電車の中でピンポンを読んでて
あまりにペコがカッコ良くて
涙がボロボロとこぼれてきた


駅に着く手前でちょうど最後まで読み終わり
電車を降りると
高ぶった神経と涙でグシャグシャの顔と電車の空調で冷えた身体が
真夏の強い陽射しに晒されて
なんとも言えない心地だった


陽射しにあたりながら心に浮かんだのは2つのことで

こんなに面白い漫画がある
これだけでこの世界は生きるに値する
ということと

もうひとつは
俺はもうヒーローにはなれないのか
ということ


漫画の中で、フィクションの中で
こんな格好良いヒーローに会えるなら
俺自身がヒーローになれなくても別に良い
と思いながらも
サッカーを止めて
自らがヒーローになることができなくなったことへの虚しさが
同時に浮かんできた




ん?
なんの話をしてたんだっけ?




自転車は10年続けてきた趣味で
これからも頑張って行きましょうかね!

みたいな話ですかね?





で、長年同じ趣味を続けていると
自分みたいなボッチでも
ある程度知り合いはできていくもので

そうした知り合いの方々と
今度の乗鞍では一緒に走ることが
勝負をすることが
できるので
これはとても「有難い」ことだと思います



その乗鞍に向けての
意気込みとか今の調子とかをテキトウに書きます
(軌道修正)




■調子について

分かりません

分かりませんが
悪くはないとは思います


調子が「分からない」というのは
自分にとって「調子」とは
峠のタイムで判断するもので

夏場は暑さで絶対に良いタイムがでませんし
良いタイムが出ない以上
「調子」というものが測れません


ただ、タイム出ないながらも
練習は最低限継続してますし
まぁボチボチ踏めてるのかなという
漠然とした感覚はあります


なので、自分はタイムは「気温次第」で
乗鞍は大阪と比べるとまだ涼しいでしょうから
涼しければ普通に実力発揮できるのではと考えています

逆に言えば、
乗鞍が快晴で暑ければ
シヌ
ということになります


当日は、ほど好い気温であることを願っています




■体重について

夏場は暑くて
調子というか「リズム」を崩しがちで
体重も安定しません

ただ、日頃からロクなもの食べてないお陰か
そこまで体重は増えていません

自分のベストは59kg前後なのですが
今が59kg台後半~60kg前後なので
まぁ合格点ではあります

峠のタイムとかも普通に自己ベスト出せるくらいの体重なので
(今は暑くてムリですが)
体重に関しては特に問題はないかと思っています




■機材について

いつも通りです

自分は特に「決戦仕様」というものがないので
いつものタイヤに
いつものチューブに
いつものクランク
いつものスプロケ
ジャージも練習で着てるいつものヤーツです

チェーンは洗浄してる時に
クラックが見つかったので
チェーンだけは慌てて新品に交換しました

チェーンを新品に交換すると
歯飛びするケースが多いのですが
いつもの十三峠でトルク掛けて登っても
一切歯飛びしなかったので問題なさそうです




■目標について

今回の乗鞍は年代別での参戦です


目標は
前にも書きましたが

年代別優勝

です



が、
本当のところ
真の「目的」は

楽しむこと

です




自分がこの趣味を始めて
大会に出続けている理由ですが

それはやっぱり
楽しいから
なのだと思います


たくさんの(自分のとっては)知り合いができて
たくさんのライバルができて
そして大会でそうした方々と
一緒に走れる
勝負することができる
これ以上に楽しいことがあるでしょうか



「目標は年代別優勝」

と言っているのも
そっちのが楽しいからです

本気になった方が
本気で遊んだ方が
絶対に楽しいからです


「目的」は楽しむこと
であり
そのための「目標」は優勝をめざすこと
みたいな感じです







自転車というものが趣味になって10年


高校生の俺が失った何かを
オッサンになった俺は取り戻せただろうか


俺は俺自身のヒーローになれたのか
または、なれるのか


問い続けよう
これからも


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